ジャパンフーズは短期調整一巡、指標面の割安感も支援材料で出直り

  飲料受託生産大手のジャパンフーズ <2599> の株価は、全般地合い悪化が影響したようだ。8月22日には1190円まで戻す場面があり、短期調整が一巡したようだ。指標面の割安感も支援材料として出直り展開だろう。   伊藤忠商事 <8001> 系で飲料受託生産の国内最大手である。品目別には炭酸飲料と茶系飲料を主力として、コーヒー飲料、果汁飲料、機能性飲料、酒類飲料、ファーストフード店のディスペンサーでサービスされる業務用濃縮飲料(ウーロン茶、アイスコーヒーなど)を製造している。   主要得意先はアサヒ飲料、キリンビバレッジ、伊藤園 <2593> 、サントリー食品インターナショナル <2587> などの大手飲料メーカーで、容器別ではペットボトルが主力だ。   新規ビジネス分野では、国内で水宅配事業を展開するウォーターネット、中国で飲料受託製造事業を展開する東洋飲料(常熱)有限公司への出資比率を引き上げている。自社ブランド商品に関しては、本社工場がある千葉県産の農林水産物を使用した商品の開発に取り組み、千葉県を中心に販売している。   また中期経営計画に基づいて積極投資を推進している。12年7月に本社工場で世界最新鋭の炭酸・非炭酸兼用無菌充填ライン(Eライン)が稼動し、14年3月には既存大型ペットボトルライン(Tライン)も設備更新で炭酸・非炭酸兼用無菌充填ライン化した。   今期(15年3月期)の業績(非連結)見通しについては、前回予想(4月24日公表)を据え置いて売上高が前期比6.4%増の341億円、営業利益が同36.2%増の12億70百万円、経常利益が同37.6%増の13億円、純利益が同55.1%増の7億50百万円、配当予想は前期と同額の年間27円(第2四半期末10円、期末17円)としている。   受託製造数量は主力の炭酸飲料や茶系飲料が好調に推移する見込みだ。利益面では、加工賃売上の増加、炭酸・非炭酸兼用の無菌充填ラインによる増産、生産性上昇などの効果で売上総利益率が上昇する見込みだ。純利益は特別損失の一巡も寄与する。   第1四半期(4月~6月)は消費増税の反動影響などで飲料業界全体の販売数量が減少したことに加えて、13年10月から実施した缶ラインの合理化に伴って製造数量が減少したため減収減益だったが、エルニーニョ現象の発生遅れで冷夏予想から一転して猛暑となったことも追い風となり、通期ベースでは好業績が期待される。   14年4月には中期経営計画「JUMP2015」のレビューと見直しを発表している。成長に向けた基本戦略をコアビジネス(国内飲料受託製造事業)の収益拡大、新規ビジネス(海外事業、水宅配事業、自社ブランド商品、その他)の着実な推進、成長戦略を支える経営基盤の強化としている。   定量計画(イメージ)には15年度連結ベースで売上高390億円、営業利益15億50百万円、経常利益15億円、純利益10億円、ROE11.4%を掲げている。中期的に収益拡大基調だろう。   株価の動きを見ると、5月の安値1145円から反発して概ね1200円近辺で推移していたが、8月8日に1166円まで調整する場面があった。ただし個別の悪材料は見当たらず、全般地合い悪化が影響したようだ。そして8月22日には1190円まで戻す場面があり、短期調整一巡感を強めている。   8月26日の終値1181円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS155円51銭で算出)は7~8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間27円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績BPS1485円56銭で算出)は0.8倍近辺である。   週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形となって安値圏モミ合い展開だが、日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線回復の動きを強めている。指標面の割安感も支援材料であり、短期調整が一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
飲料受託生産大手のジャパンフーズ<2599>(東1)の株価は、全般地合い悪化が影響したようだ。8月22日には1190円まで戻す場面があり、短期調整が一巡したようだ。
economic
2014-08-27 09:45