【為替本日の注目点】日経反発でドル円堅調、米株高や米貿易収支改善もドル高材料に

  NY市場   ドル円は104円台前半から半ばでもみ合い。米長期金利が低下したものの、株価が大きく反発したことを受け上昇する場面もあったが、105円には届かず。    ドルがやや買い戻されたものの、ユーロドルは小動き。ユーロ圏のCPIが低水準だったことで、利下げ観測の台頭から一時1.36台割れが見られたが一進一退。    株価は急反発。ボストン連銀総裁が緩和維持に前向きな発言をしたことが支援材料となり、ダウは105ドル高。ナスダックは今年になって初めて前日比プラスで引ける。    債券相場も続伸。連銀総裁の発言を好感し買い物を集め、長期金利は2.94%まで低下。    金は続落。原油価格は6日振りに反発。    11月貿易収支 → 343億ドルの赤字    ドル/円 104.33 ~104.74   ユーロ/ドル 1.3596 ~ 1.3651   ユーロ/円 142.20 ~ 142.56   NYダウ +105.84 → 16,530.94ドル   GOLD -8.40 → 1,229.60ドル   WTI +0.24 → 93.67ドル   米10年国債 -0.018 → 2.943%   本日の注目イベント   独   独11月貿易収支    欧   ユーロ圏11月小売売上高    欧   ユーロ圏11月雇用統計    米   12月ADP雇用者数    米   FOMC議事録(12月17、18日分)    欧   バローゾ・欧州委員長、サマラス・ギリシャ首相会見    今夜のFOMC議事録までは特段材料がなく、株式市場の行方に注目するしかない中、ドル円は105円が重い展開が続いています。104円前後ではドル買い意欲も強そうには見えても、ドルを買い進む気配は見えません。そんな状況が続いていますが、本日は105円を目指す展開があるかもしれません。   ボストン連銀のローゼングレン総裁は昨日の講演で「今の景気回復は緩慢過ぎる。金融政策の尚早な引締めで経済情勢の一段の正常化を遅れさせたくはない」と述べ、今月から開始される量的緩和策の縮小を「極めて緩やかな」ペースに留め、経済への打撃を回避すべきだとの見解を示しました。   その理由として同総裁は、「失業率が依然として異例の高水準」に留まっていることを挙げ、さらにインフレ率も「著しく低い状態」だと指摘しています。同総裁はもともと「ハト派」の代表の一人で、金融緩和に前向きなFOMCメンバーですが、株式と債券市場はこの発言に素直に反応しました。   年初から調整局面が続いているNY株式市場ではダウが急反発し1万6500ドル台を回復し、ナスダック指数も引け値では今年初めてプラスで終わっています。「緩和縮小」が今月から開始されますが、行き過ぎた縮小は景気に悪影響を与えるとの講演内容から、「緩和縮小」ペースは緩やかに進むとの観測が株価と債券価格を押し上げたものです。   これらが支援材料となりドル円は104円74銭までドル高が進みましたが、105円には届いていません。ポイントは水準的にはドル売りが出やすい、104円70銭~105円を抜けるかどうか。そして再び105円台を安定的に維持できるかどうかです。ユーロドルも1.36台半ばが壁になりつつあり、ドル円も上値が重い状況でも104円前後がサポートされていることから、ドル高回帰への気運は整いつつあるようには見えます。   そこで決め手となるには今夜発表されるFOMC議事録の内容と、週末の雇用統計を占うADP雇用者数です。今月から100億ドル減額されるFRBによる債券購入ですが、このペースが今後継続されて行くのかどうか。また、継続されていくとしたら株式、債券市場がどのように消化していくのかが注目されます。   米中部と東部が大寒波に見舞われています。今のところ経済への影響はありませんが、これが長引くようだと景気への影響があるかもしれません。一方で、昨日発表された11月の米貿易収支は大幅に改善しており、ドル高材料として見ることもできます。原油の輸入量が大幅に減り、輸出全般が好調だったことで4年振りの貿易赤字額でした。「シェール革命」のもたらす恩恵と見られますが、この傾向は当面続くと予想されます。本日は日本の株価も反発が見込まれます。ドル円は上記重要な水準を抜けるかどうかといったところですが、レンジは104円~105円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は104円台前半から半ばでもみ合い。米長期金利が低下したものの、株価が大きく反発したことを受け上昇する場面もあったが、105円には届かず。 
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2014-01-08 09:45