協立情報通信は15年2月期増収増益見通しを評価して出直り本格化

  ソリューション事業やモバイル事業を展開する協立情報通信 <3670> (JQS)の株価は、5月の上場来安値1513円で底打ちして7月14日の2000円まで切り返した。その後も堅調に推移し、8月27日には1983円まで上伸して7月の戻り高値に接近した。今期(15年2月期)増収増益見通しや利益増額の可能性を評価して出直りの動きが本格化し、7月の戻り高値を突破すれば上げ足を速める可能性があるだろう。   1965年の設立で、2013年2月JASDAQ市場に新規上場した。法人向けのソリューション事業(情報通信システムソリューション、会計情報ソリューション、情報活用教育ソリューション、情報活用レンタルソリューション)、およびモバイル事業(法人向けモバイルソリューション、ドコモショップ6店舗運営)を展開している。   企業のICT(情報通信技術)化の実現に向けて、NEC <6701> 、オービックビジネスコンサルタント <4733> 、NTTドコモ <9437> 、サイボウズ <4776> 、日本マイクロソフトなどパートナー企業の製品・サービスを融合し、情報通信インフラ機器の販売だけでなく、システムの構築から導入・保守・運用・教育までをソリューションとして提供している。   ソリューション事業では、情報通信システムソリューションでNECの構内交換機(PBX)、会計情報ソリューションでオービックビジネスコンサルタントの「奉行シリーズ」をベースとして、中堅・中小企業向け中心に「情報インフラ」「情報コンテンツ」「情報活用支援(プラクティカルユース)」の3分野を統合した「経営情報ソリューション」をワンストップサービスで提供していることが強みである。常設デモスペースである体感型フューチャーラボ「情報創造コミュニティー」において製品活用体験セミナー、フェア、イベント、システム導入相談会、教育サービスなどを提供していることも特徴だ。前期(14年2月期)の「情報創造コミュニティー」への来場社数は1233社となり、前々期比250社増加している。   モバイル事業では、NTTドコモの一次代理店であるティーガイア <3738> の代理店として、ドコモショップ6店舗(東京都内2店舗、埼玉県内4店舗)を運営し、個人向けモバイル端末などの店頭販売、および法人向けモバイルソリューションを展開している。   今期(15年2月期)の業績(非連結)見通し(4月11日公表)は、売上高が前期比5.0%増の56億02百万円、営業利益が同15.7%増の2億48百万円、経常利益が同15.3%増の2億48百万円、そして純利益が同7.0%増の1億38百万円で、配当予想は前期と同額の年間50円(期末一括)としている。   セグメント別の計画は、ソリューション事業の売上高が同4.9%増の18億38百万円、営業利益が同4.2%増の2億20百万円、モバイル事業の売上高が同5.0%増の37億64百万円、営業利益が28百万円(前期は3百万円)としている。   ソリューション事業では、4月以降に一部で消費増税の反動影響が見られるようだが、米マイクロソフトのOS「ウインドウズXP」サポート終了に伴うパソコン入替案件などが引き続き好調のようだ。第2四半期(6月~8月)に売上計上予定の大型案件も寄与する。また「情報創造コミュニティー」への来場社数が増加基調であり、パートナー企業との協業を強化して新規顧客開拓を強化する。15年夏予定の「Windows Server 2003」サポート終了に伴うサーバー移行案件の獲得に向けた活動も強化する。   モバイル事業は第1四半期(3月~5月)営業利益が通期見通しを超過達成している。消費増税前の駆け込み需要、NTTドコモの新料金プランが追い風となり、4月以降はNTTドコモの営業政策変更によって法人向けフィーチャーフォンも好調に推移している。利益率の高い副商材への取り組み強化策も奏功したようだ。ただし第2四半期(6月~8月)以降は、他キャリアの国内音声定額プランの導入や格安スマホの登場などで競争激化が予想され、NTTドコモの営業政策の影響も受けるため、通期ベースではやや慎重な見通しとしているようだ。   第1四半期(3月~5月)はソリューション事業、モバイル事業とも好調に推移して前年同期比17.4%増収、45.4%営業増益、42.2%経常増益、64.2%最終増益の大幅増収増益だった。そして通期見通しに対する進捗率は売上高が27.6%、営業利益が41.4%、経常利益が41.1%、純利益が46.5%に達している。通期の会社見通しを据え置いているが、利益増額の可能性が高いだろう。   企業のICT投資需要は「クラウド」「モバイル」「セキュリティー」をキーワードとして高水準に推移することが予想され、法人向けソリューション提案力向上によって付加価値(サービス)提供へのシフトを加速し、ストック型収益モデルも強化して利益率を一段と向上させる方針だ。   中期経営計画では目標値として、17年2月期売上高76億20百万円、営業利益7億04百万円を掲げている。中期的に収益拡大基調であり、一段の高収益化も期待されるだろう。   なお株主優待制度については、毎年2月末時点で500株以上~1000株未満保有株主に対して島根県仁多郡産コシヒカリ「仁多米」2kg(1500円相当)、1000株以上保有株主に対して同5kg(3700円相当)を贈呈している。   株価の動きを見ると、5月の上場来安値1513円で底打ちして7月14日の2000円まで切り返した。その後も概ね1800円~2000円近辺で堅調に推移している。そして8月27日には1983円まで上伸して7月の戻り高値に接近した。今期の増収増益見通しや利益増額の可能性を評価して水準を切り上げる動きだろう。   8月27日の終値1983円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS115円72銭で算出)は17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は2.5%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS751円39銭で算出)は2.6倍近辺である。   日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を素早く回復して上伸した。また週足チャートで見ると26週移動平均線を突破し、上向きに転じた13週移動平均線がサポートラインとなった。5月安値で底打ちして強基調への転換を確認した形であり、今期増収増益見通しや利益増額の可能性を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。7月の戻り高値を突破すれば上げ足を速める可能性があるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ソリューション事業やモバイル事業を展開する協立情報通信<3670>(JQS)の株価は、5月の上場来安値1513円で底打ちして7月14日の2000円まで切り返した。
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2014-08-28 09:15