メディアフラッグは、売られ過ぎ感を強めて反発のタイミング
店舗覆面調査のメディアフラッグ <6067> (東マ)の株価は、8月11日発表の今期(14年12月期)利益見通し減額修正で急落し、5月安値547円を割り込んで8月12日に480円、8月14日に473円まで調整した。ただし足元は490円~500円近辺で推移して下げ渋りの動きを強めている。売りがほぼ一巡したようだ。13年の安値圏に接近して調整のほぼ最終局面であり、売られ過ぎ感も強めて反発のタイミングだろう。
店舗・店頭に特化して、流通・飲食チェーンや消費財・食品メーカーなどのフィールドマーケティングを支援する企業だ。
リアルショップサポート(店舗巡回)で消費財・食品メーカーなどの店頭販売を支援する営業支援事業、およびリアルショップリサーチ(覆面調査)で流通・飲食チェーンなどの店舗活性化を支援する流通支援事業を主力として、店舗・店頭状況をデータベース化する独自ソフトウェアのASP事業、コンビニエンスストアなどを運営するストア事業、子会社化した十勝たちばなの和菓子製造販売事業などを展開している。覆面調査などに携わるメディアクルーの登録数は14年6月時点で全国19万人を突破した。
4年以内に売上高100億円という目標達成に向けて、M&Aも活用しながら小売・飲食店舗の受託運営事業、流通・小売企業に特化した再生事業、ASEANを中心とした海外事業の拡大戦略も積極推進している。
13年8月に関西で推奨販売事業を展開するキャビックを子会社化、13年9月にスポーツ関連フィールドマーケティング強化に向けて子会社K9を設立した。13年10月には和菓子製造販売の十勝とその子会社たちばなを子会社化(14年6月に十勝がたちばなを吸収合併して十勝たちばな)、13年11月には事業再生コンサルティングの子会社O&Hを設立した。
さらに14年6月には推奨販売事業の取引先であるジェイフロンティアの第三者割当増資を引き受け(出資比率1.9%)。14年7月には小型デジタルサイネージ市場のシェアNO.1企業であるシアーズを株式交換で完全子会社化した。
海外は、インドネシアおよびインドで大手流通チェーンから、コンビニエンスストアの店舗改善コンサルティング案件などを受注している。また中国ではメディアフラッグ上海が営業活動を強化して、今期(14年12月期)黒字化見込みとしている。
8月11日発表の今期(14年12月期)第2四半期累計(1月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比2.1倍の30億34百万円だが、営業利益が同8.5%減の68百万円、経常利益が同26.5%減の55百万円、純利益が同81.3%減の6百万円だった。売上高は計画を上回ったが、各利益は計画を下回り減益だった。
セグメント別動向(内部取引・全社費用等調整前)を見ると、主力の営業支援事業は新規受注やキャビックの連結などで同86.2%増収、同32.5%増益、流通支援事業は同0.4%増収、同53.3%増益と順調だったが、ストア事業は沖縄料理店「古都首里」閉店や消費増税、和菓子製造販売事業は沖縄での新規ブランド立ち上げに伴う出店費用、フットサルコート運営のK9は事業立ち上げ費用などが影響して低調だった。
通期の連結業績見通しについては8月11日に修正(売上高を増額、利益を減額)を発表した。売上高は6億円増額して前期比92.1%増の66億円だが、営業利益は20百万円減額して同1.1%増の2億50百万円、経常利益は30百万円減額して同10.7%減の2億20百万円、純利益は40百万円減額して同18.4%減の1億10百万円の見通しとした。なお配当予想は前回予想(2月14日公表)の「未定」を据え置いている。
売上面で見ると、主力の営業支援事業と流通支援事業は新規受注などで稼働店舗数が順調に増加し、14年7月に子会社化したシアーズの新規連結なども寄与して期初計画を上回るが、事業立ち上げ当初のK9、事業再生途上の十勝たちばなの収益が想定を下回るようだ。
ただし、消費増税後の消費マインド喚起に向けた流通・飲食チェーンや消費財・食品メーカーの積極的なマーケティング活動、主要株主である博報堂DYホールディングス <2433> など大手広告代理店経由の新規受注増加も追い風であり、中期的には子会社化したキャビックや十勝たちばな、そして海外事業の収益化も寄与して収益拡大基調だろう。
なお8月22日に発表した14年7月覆面調査・店舗巡回実績は、リアルショップリサーチ(覆面調査)が前年同月比1.0%増の9327件、リアルショップサポート(ラウンド、推奨販売等)が同56.9%増の1万9023件で、合計では同32.7%増の2万8350件だった。覆面調査の上位は飲食関連、金融機関、商業施設関連だった。リアルショップサポートではキャンペーンなどの短期間店舗巡回だけでなく、定期的な店舗巡回案件も順調に増加しているようだ。
株価の動きを見ると、概ね500円台後半の小幅レンジでモミ合う展開だったが、8月11日の今期利益見通しの減額修正で8月12日に480円、さらに8月14日には473円まで調整して5月安値547円を一気に割り込んだ。ただし足元は概ね490円~500円近辺で推移して下げ渋りの動きを強めている。売りがほぼ一巡したようだ。
8月27日の終値495円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円03銭で算出)は20~21倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS206円97銭で算出)は2.4倍近辺である。週足チャートで見ると大陰線を引いて550円~600円近辺のボックスレンジから下放れの形となったが、13年の安値圏に接近して調整のほぼ最終局面だろう。売られ過ぎ感も強めて反発のタイミングのようだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
店舗覆面調査のメディアフラッグ<6067>(東マ)の株価は、8月11日発表の今期(14年12月期)利益見通し減額修正で急落し、5月安値547円を割り込んで8月12日に480円、8月14日に473円まで調整した。
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2014-08-28 09:15