テクマトリックスは1月高値を突破、13年3月高値目指す
情報サービス事業を展開するテクマトリックス <3762> の株価は、全般地合い悪化も影響して8月8日の619円まで調整したが、その後は急反発して8月22日には連結子会社と日本HPの業務提携を好感して781円まで急伸し、1月高値740円を一気に突破した。強基調に転換して出直りの流れに変化はなく、13年3月高値844円を目指す展開だろう。
ネットワーク・セキュリティ関連のハードウェアを販売する情報基盤事業、医療・CRM・EC・金融を重点分野としてシステム受託開発・クラウドサービスなどを提供するアプリケーション・サービス事業を展開している。
重点戦略として、ストック型ビジネスの保守・運用・監視サービス関連の戦略的拡大、クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進、ネットワーク・セキュリティ関連商材およびサービスの充実、ビッグデータ分析支援サービス、大規模EC事業者向けバックオフィスシステム構築ソリューション「楽楽ECインテグレーションサービス」などを強化している。グループ経営を強化するため14年3月には連結子会社のクロス・ヘッドを完全子会社化した。
14年2月には連結子会社の沖縄クロス・ヘッドが台湾のデータセンター事業者eASPNetと事業協力についての覚書を締結し、アジアでのデータセンター事業やクラウド事業の展開を目指している。14年3月には日本コンピュウェアと販売パートナー契約、ラムダ・テクノロジーズとマレーシアにおける販売代理店契約を締結した。14年7月には、日本事務器(NJC)と医療情報クラウドサービス「NOBORI」に関する販売代理店契約を締結した。クラウド型の医療情報システム「NOBORI」はサービス開始後1年半で約150の医療機関に採用されている。
また8月22日には、連結子会社の沖縄クロス・ヘッドが日本ヒューレットパッカード(日本HP)と業務提携したと発表している。日本HPがクラウドプラットフォームをベースとして新たに開設した「HP沖縄検証センター」の管理・運用業務を沖縄クロス・ヘッドが提供する。
7月31日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.3%増の39億49百万円、営業利益が同8.9%増の63百万円、経常利益が同37.6%増の87百万円で、純利益は繰延税金資産追加計上が一巡して同76.0%減の43百万円だった。
セグメント別に見ると、情報基盤事業の売上高は同2.0%増の26億21百万円だった。負荷分散装置は前期好調の反動で伸び悩んだが、次世代ファイアウォール製品が好調だった。複数の公共機関向け大型案件の受注にも成功したようだ。アプリケーション・サービス事業の売上高は同6.0%増の13億28百万円だった。EC関連やスマホ関連の受託開発が好調で、医療情報クラウドサービス「NOBORI」も順調のようだ。
通期の連結業績見通しは前回予想(5月9日公表)を据え置いて売上高が前期比5.5%増の183億円、営業利益が同3.7%増の11億60百万円、経常利益が同0.4%減の11億60百万円で、純利益は繰延税金資産追加計上が一巡して同11.7%減の7億円としている。配当予想は前期と同額の年間15円(期末一括)としている。ストック型ビジネスの戦略的拡大に向けて人件費などが増加するが、増収効果や採算改善効果で吸収して営業増益見込みだ。
セグメント別売上高の計画は、情報基盤事業が同9.0%増の122億円、アプリケーション・サービス事業が同0.9%減の61億円としている。情報基盤事業ではサイバー攻撃に対応した次世代ファイアウォール製品、アプリケーション・サービス事業では医療分野のクラウドサービスなどが好調に推移する。
なお前期(14年3月期)以降、特に医療分野において従来のオンプレミス型(ユーザーがハードウェア、ソフトウェア、データを自分自身で保有・管理する形態)のシステム提供から、クラウド型(ユーザーがインターネット経由で利用できるサービス提供の形態)のサービス提供へ、ビジネスモデルの変更を推進している。このため医療情報クラウドサービスの売上と利益を、サービス期間に応じて按分計上することになり、今後複数年に亘って売上と利益のマイナス影響となるが、これを織り込んだうえで他事業の成長でカバーする方針としている。
また6月には株主優待制度の内容を発表している。500株以上保有株主は「讃岐うどん」など1000円相当の商品5種類から、1000株以上保有株主は「近江牛すき焼き用」など3000円相当の商品5種類から、または寄付(日本ユニセフ協会、あしなが育英会に対して保有株式数に応じた金額)から、いずれか1つを選択する。14年9月30日現在の株主を対象に実施する。
株価の動きを見ると、560円~600円近辺でのモミ合い展開から上放れて7月31日708円まで上伸した後、第1四半期業績発表を機に反落し、全般地合い悪化も影響して8月8日619円まで調整した。ただしその後は急反発している。8月22日には子会社と日本HPの業務提携を好感して781円まで急伸し、1月高値740円を一気に突破する場面があった。出直りの流れに変化はないようだ。
8月27日の終値696円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS58円23銭で算出)は12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は2.2%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS513円07銭で算出)は1.4倍近辺である。日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を素早く回復した。また週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から反発してサポートライン確認の形となった。強基調に転換して13年3月高値844円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
情報サービス事業を展開するテクマトリックス<3762>(東1)の株価は、全般地合い悪化も影響して8月8日の619円まで調整したが、その後は急反発して8月22日には連結子会社と日本HPの業務提携を好感して781円まで急伸し、1月高値740円を一気に突破した。
economic
2014-08-28 09:15