【為替本日の注目点】安倍政権にやや暗雲は円高要因か、ドル円104円を挟む攻防
NY市場
ドル円は小動きながら104円台では売られる展開が続く。特に東京時間では上値が重くなり、昨日もドル円は緩やかに下落。NYでは103円76銭まで売られたが、今のところ下値も限定的。
ユーロドルは反発。ECBによる追加緩和観測がやや後退したことで、1.32までユーロの買い戻しが進む。
株式市場は高安まちまち。ダウは小幅ながら3日続伸するも、ナスダックは1ポイント下落。
債券相場は上昇し金利は低下。欧州債の利回りが低下していることで、相対的に利回りの高い米国債が買われたとの見方も。長期金利は2.36%に低下。
金は反落し、原油は小幅に続伸。
ドル/円 103.76~ 104.00
ユーロ/ドル 1.3168 ~ 1.3206
ユーロ/円 136.74 ~ 137.28
NYダウ +15.31 → 17,122.01ドル
GOLD -1.80 → 1,283.40ドル
WTI +0.02 → 93.88ドル
米10年国債 -0.038 → 2.360%
本日の注目イベント
独 独8月雇用統計
独 独8月消費者物価指数(速報値)
欧 ユーロ圏8月景況感指数
伊 イタリア4-6月期GDP(改定値)
米 新規失業保険申請件数
米 4-6月期GDP(改定値)
米 7月中古住宅販売成約指数
ドル円はみたび東京時間帯での104円台キープに失敗しています。昨日は104円16銭辺りまで買われたものの、上値を追う動きはなく、その後は軟調な地合いの株価を見ながら104円を割り込んでいます。ただ今のところ、下値ではしっかり買いも入ってくるように見え、場合によっては103円台前半あたりまでの調整もあるかと予想していますが、その動きも見られません。104円を挟む攻防という形になりそうです。
ユーロドルはECBによる追加緩和観測がやや後退したことから買戻しが入り、1.32ちょうどまで反発しましたが、上値は依然として重い展開が続くと予想されます。ドイツのショイブレ財務相は昨日、現地紙とのインタビューで、追加緩和策に関するドラギ総裁の発言が「拡大解釈されている」と発言し、ユーロ買い戻しにつながっています。
一方でブルームバーグによると、ECBは資産担保証券(ABS)購入プログラムを設計する上での助言役として、米国の資産運用会社であるブラックロックを採用したとECB関係者が明らかにしたと報じています。助言役の起用は、それ自体が量的緩和に向けた一歩であると受け止められています。本日はユーロ圏の景況感指数が発表されますが、この数値が下振れしているようだと、再び追加緩和観測が高まることになりそうです。
昨日は全体的に材料不足でした。ドル円もこのまま104円台定着に失敗するようだと、膠着間が再び強まり、これまでの101-103円のレンジから102-105円のレンジにシフトしただけで、上昇トレンドにブレイキがかかる可能性もあります。結局来週の雇用統計に期待することになりそうですが、6ヶ月連続で20万人を超えていることから、この部分は大きな変化は期待しにくいところです。その後は、まだ先の話になりますが9月のFOMCでさらに利上げの前倒しが議論されるかどうかという点が焦点になってきそうです。
もっとも、国内でも来週に予定されている「内閣改造」で石破氏の処遇問題が注目されます。安泰と見られている安倍政権に、やや暗雲が立ち込めてきたと見ることができます。安倍政権が長期的に続くとすれば、これまでの「アベノミクス」をさらに推進しやすいことになりますが、政権基盤が揺らぐことになると、「アベノミクス」の停滞につながり、どちらかといえば「円高要因」になるのではないかと考えていますが、どうでしょうか・・・・。本日のレンジは103円60銭~104円20銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は小動きながら104円台では売られる展開が続く。特に東京時間では上値が重くなり、昨日もドル円は緩やかに下落。NYでは103円76銭まで売られたが、今のところ下値も限定的。
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2014-08-28 09:15