フォトクリエイトは15年6月期減益見通しに対する売り一巡して反発局面
インターネット写真販売サービスやクラウドサービスのフォトクリエイト <6075> (東マ)の株価は、5月安値1195円から6月6日1680円まで一旦切り返したが、その後は反落して再び水準を切り下げ、今期(15年6月期)の減益見通しで8月13日の1222円まで調整した。ただし足元では1300円近辺まで戻している。売りが一巡して反発局面だろう。
インターネット写真サービス事業(全国各地で開催されるスポーツ・音楽・祭り・学校行事・結婚式などのイベントで契約カメラマンが撮影した写真をWebサイトに掲載してイベント参加者などに販売する事業)、フォトクラウド事業(全国の地域密着の写真館など法人向けに当社のインターネット写真販売プラットフォームを提供してサービスを受託する事業)、および広告・マーケティング支援事業(顧客企業の写真販促施策を支援する事業)を展開している。
インターネット写真サービス事業ではカテゴリーごとに、スポーツ写真販売サイト「オールスポーツコミュニティ」、社交ダンス写真販売サイト「ダンスライフ」、イベント写真販売サイト「フォトチョイス」、お祭り写真販売サイト「ヨイショット」、音楽イベント写真販売サイト「ステージライフ」、学校写真販売サイト「スナップスナップ」などを運営している。
主力の「オールスポーツコミュニティ」はスポーツを行っているユーザー月間45万人が集まるサイトで、マラソンなど全国各地約70種目のスポーツイベントを年間約5000大会撮影している。15年からフルマラソン大会となる「横浜マラソン2015」も公式写真販売サービスとしてオフィシャルスポンサーになった。フルマラソン大会が開催される都道府県庁所在地は全47ヶ所中21ヶ所となり、そのうち17ヶ所の大会を当社が撮影することになる。
幼稚園・小学校等の運動会が集中する第2四半期(10月~12月)や、大型マラソン大会が集中する第3四半期(1月~3月)の売上構成比が高く、悪天候でイベントが中止になった場合の影響も受けやすい収益構造だが、インターネット写真サービス事業の先行者として市場を開拓してきたため、撮影ノウハウ、販売ノウハウ、ブランド力、写真とIT技術の連携などの面での優位性を強みとしている。14年6月末時点の契約カメラマン数は1445名で、クオリティを維持しながら着実に増加している。
フォトクラウド事業では、地域写真館・撮影事業者向け「スナップスナップインターネットラボ」、結婚式場事業者・婚礼写真会社向け「グロリアーレ」、さらに「読売巨人軍オフィシャル写真販売サイト」や「福岡ソフトバンクホークスオフィシャル写真サイト」などのシステムを提供している。
14年6月には、写真館など全国の写真事業者向けに事業展開しているラボネットワークと、学校写真インターネット販売の共同展開を目的とした業務提携に関する基本合意書を締結した。学校写真事業者との取引窓口をラボネットワークに一本化し、学校写真事業者に提供しているインターネット販売システムを当社の「スナップスナップ」に一本化する。すでに「スナップスナップ」を導入している1321教育機関(14年3月31日現在)に加えて、ラボネットワークと学校写真事業者を介して取引のある1万7869教育機関(同)に対する「スナップスナップ」の展開が可能となる。
8月8日に発表した前期(14年6月期)業績(非連結)は売上高が前々期比10.4%増の31億32百万円、営業利益が同4.2%増の1億87百万円、経常利益が同0.4%増の1億76百万円、純利益が同4.5%増の1億06百万円だった。需要期の第2四半期と第3四半期に台風や大雪でイベントが中止になるなどの影響を受けて、売上高、営業利益、経常利益は計画をやや下回ったが、純利益は計画水準だった。
セグメント別売上高は、インターネット写真サービス事業が同5.4%増の24億38百万円、フォトクラウド事業が同30.4%増の6億25百万円、広告・マーケティング支援事業が同61.5%増の68百万円だった。インターネット写真サービス事業は悪天候で約40百万円の影響を受けたようだが、増収を確保した。フォトクラウド事業は教育領域の成長が寄与した。
今期(15年6月期)の業績(非連結)見通しは売上高が前期比6.3%増の33億31百万円、営業利益が同17.8%減の1億53百万円、経常利益が同15.5%減の1億48百万円、純利益が同13.6%減の92百万円としている。
売上面ではスポーツ・教育・ウエディング領域の好調が牽引し、ラボネットワークとの業務提携効果も寄与して増収見通しだが、今期は将来の飛躍に対する準備の1年と位置付けて積極的な先行投資を実行するため、各利益は減益見通しとした。
なお8月26日に代表取締役の異動(追加)を発表した。意思決定の迅速化と経営体制の強化に向けて代表取締役1名を追加で選定し、代表取締役社長および代表取締役会長の2名体制とする。
中期経営計画では、目標値として17年6月期売上高47億16百万円、営業利益3億86百万円、経常利益3億81百万円、純利益2億36百万円を掲げている。20年東京夏季五輪開催に向けて各種イベントが増加基調であり、インターネット写真サービス事業が順調に拡大する。フォトクラウド事業ではラボネットワークとの提携で「圧倒的な学校写真No.1」を目指すなど、さらなる事業拡大を推進する。中期的に収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、5月安値1195円から6月6日1680円まで一旦は切り返したが、その後は反落して再び水準を切り下げた。さらに今期の減益見通しで8月13日には1222円まで調整した。ただし足元では1300円近辺まで戻している。売りが一巡したようだ。
8月28日の終値1296円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS70円35銭で算出)は18~19倍近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS567円63銭で算出)は2.3倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形となって水準を切り下げたが、5月安値に接近して調整のほぼ最終局面のようだ。売り一巡して反発局面だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
インターネット写真販売サービスやクラウドサービスのフォトクリエイト<6075>(東マ)の株価は、5月安値1195円から6月6日1680円まで一旦切り返したが・・・。
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2014-08-29 09:00