日本エンタープライズはスマホを内線に利用するアプリ開発を材料視して急騰

  コンテンツ制作・配信の日本エンタープライズ <4829> の株価は250円~260円近辺でモミ合う展開だったが、8月18日発表のアプリケーション「AplosOne ソフトフォン」開発を材料視して動意付き、8月26日の858円まで急騰した。短期間で急騰したため過熱感が強く当面は乱高下の可能性だが、需給面も良好であり人気が持続しそうだ。今期(15年5月期)営業増益見通しも支援材料だ。   コンテンツ配信などのコンテンツサービス事業と、店頭アフィリエイト(広告販売)や企業向けソリューション(システム受託開発)などのソリューション事業を展開し、中国ではチャイナテレコムの携帯電話販売店運営と電子コミック配信サービスを手掛けている。配信コンテンツを自社制作して「権利を自社保有する」ビジネスモデルが基本戦略だ。   13年3月には音声通信関連ソフトウェア開発のandOneを子会社化した。また14年4月には子会社HighLabを設立した。ネイティブアプリを主としたスマートフォンゲームの開発を行うとともに、ライフスタイルアプリとの相互連携によるコンテンツプラットフォームへの発展を目指している。   14年6月には、インドネシア大手移動体通信キャリアのXL Axiata社が運営するアプリストア内のアプリ取り放題サービス向けに、スマートフォンアプリの提供を開始した。ローカライズした自社アプリを世界の各種プラットフォームに配信して、自社コンテンツ資産の2次利用を推進する方針だ。   8月7日には、千葉県が実施するICTを活用した官民連携サービスプラットフォーム形成事業(結婚から妊娠・出産、子育てまでの切れ目のない情報提供や相談受付ができるスマートフォン用アプリを活用したサービスプラットフォーム構築業務)の受託を発表した。8月末のサービス公開を予定している。   また8月18日には、スマートフォンを活用して企業の内線電話網を構築するアプリケーション「AplosOne ソフトフォン」を開発し、販売開始すると発表した。従業員のデスク上のビジネスフォン(固定電話)は不要となり、スマートフォンを内線電話として使用できる。オフィスの固定電話番号にかかってきた外線着信は従業員のスマートフォンへ直接転送できる。今後も電話やFAXをコンピュータシステムに統合するCTI連携ソリューションやアプリケーションなど、多種多様な商品・サービスを開発、提供していくとしている。   今期(15年5月期)の連結業績見通し(7月9日公表)は、売上高が前期比15.6%増の52億10百万円、営業利益が同23.7%増の4億15百万円、経常利益が同26.4%増の4億30百万円、純利益が同19.9%減の3億50百万円としている。主力事業が好調に推移して営業増益見通しだ。   なお6月9日に投資有価証券売却益3億31百万円の計上を発表している。今期第1四半期(6月~8月)に特別利益として計上する予定だ。配当予想は前期と同額だが普通配当で年間3円(期末一括)としている。   コンテンツサービス事業では、高収益のキャリア定額制サービス向けコンテンツが交通情報、ゲーム、ライフスタイルを中心に好調に推移する。子会社HighLabでのネイティブゲーム開発への取り組み強化や、自社コンテンツ資産の2次利用も順次寄与するようだ。   ソリューション事業では企業向け受託開発が順調である。店頭アフィリエイト(広告販売)は前期第2四半期(9月~11月)をボトムとして回復傾向を強めており、さらに拡販を推進する。中国・上海の携帯電話販売については、キャリアの販売施策変更に影響されない収益構造の構築を目指し、大口法人への外販営業強化や効率的な人材配置などの施策を推進する。収益改善が期待されるだろう。   株価の動き(14年2月28日付で東証2部から東証1部へ指定替え)を見ると、概ね250円~260円近辺でモミ合う展開だったが、8月18日発表のアプリケーション「AplosOne ソフトフォン」開発を材料視して動意付き、8月26日の858円まで急騰した。ただし過熱感を強めて8月26日は終値で611円まで反落するなど乱高下の展開だ。   8月28日の終値538円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS9円28銭で算出)は58倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間3円で算出)は0.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS111円20銭で算出)は4.8倍近辺である。短期間で急騰したため過熱感が強く当面は乱高下の可能性だが、需給面も良好であり人気が持続しそうだ。今期の営業増益見通しも支援材料だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
コンテンツ制作・配信の日本エンタープライズ<4829>(東1)の株価は250円~260円近辺でモミ合う展開だったが、8月18日発表のアプリケーション「AplosOne ソフトフォン」開発を材料視して動意付き・・・。
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2014-08-29 09:15