中国の鉄鋼業界 「野菜よりも安い鉄筋と在庫」が深刻な問題に=中国メディア

 中国の鉄鋼業界で問題となってきた「生産設備の過剰」が深刻化しつつある。中国メディアの広州日報は28日、中国では建物の構造用材料のひとつである異形鉄筋が野菜の単価よりも安くなっていることを紹介し、鉄鋼業界全体として各種鋼材の在庫が積み上がっていると論じた。  中国では設備の過剰が“過剰生産”をもたらしたことで鋼材価格が大きく値崩れしており、異形鉄筋の1トンあたりの価格は2年前の4500元(約7万6000円)から現在は2900元(約4万9000円)と約35%も値下がりした。異形鉄筋の500グラムあたり単価はわずか1.45元(約24円)にとどまり、500グラムあたり5元(約84円)の白菜や、同10元(約168円)のニンニクよりも安い単価となっている。  記事は、中国の鉄鋼メーカーが相次いで値下げ販売をしていることを紹介する一方で、鋼材の単価下落が続いているうえ、在庫のはけ方も緩慢であると指摘、各鉄鋼メーカーは苦境に直面していると伝えた。  続けて、中国の鉄鋼業界が深刻な不振にあえいでいる理由について、まず「経済成長が鈍化し、不動産の販売が不振であること」が大きいと指摘。日本や米国の経済回復が遅れていることのほか、中国経済の成長も鈍化していること、さらに中国鋼鉄工業協会の王曉齊副会長の発言として、「中国の不動産市場の低迷がもっとも直接的な原因」と伝えた。  さらに記事は、生産設備の過剰による供給量の増加および在庫の積み上がりも鉄鋼業界の深刻な不振につながっているとし、「経済成長が鈍化しているにもかかわらず、供給量は今なお増えている」と指摘。  さらに国有企業を中心に中国政府が経済の柱として定めた「重点企業」の8月上旬における在庫量は1456万8800トンに達し、7月下旬に比べて3.44%増となったと伝え、王曉齊副会長の発言を引用し、「7月下旬から8月上旬にかけて鉄鋼業界は60万トンの増産を行い、うち48万トンがそのまま在庫になった」と報じた。(編集担当:村山健二)(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
中国の鉄鋼業界で問題となってきた「生産設備の過剰」が深刻化しつつある。中国メディアの広州日報は28日、中国では異形鉄筋が野菜の単価よりも安くなっていることを紹介し、鉄鋼業界全体として各種鋼材の在庫が積み上がっていると論じた。(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
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2014-08-29 12:00