インタースペースは目先的な売り一巡して戻り高値に接近
ネット広告やソーシャルアプリを展開するインタースペース <2122> (東マ)の株価は、8月4日戻り高値1467円から8月8日1080円まで急反落した。第3四半期累計(10月~6月)の好業績に対して一旦は材料出尽くしとなった形だ。ただし8月29日には1398円まで上伸して8月4日戻り高値に接近した。目先的な売りが一巡して今期(14年9月期)再増額の可能性を評価する動きだろう。13年12月高値1716円を目指す。
アフィリエイト(成果報酬)型のインターネット広告事業を主力として、コンテンツやソーシャルアプリなどのメディア運営事業も展開している。インターネット広告事業は、アフィリエイトサービス「アクセストレード」を中心に事業展開し、携帯電話ショップをネットワーク化した店舗アフィリエイトサービス「ストアフロントアフィリエイト」も日本最大規模の店舗ネットワークに成長している。メディア運営事業では、日本最大級のママ向けコミュニティサイト「ママスタジアム」の14年5月度月間利用者数が200万人を突破して219万人となった。
中期成長に向けた重点戦略として、インターネット広告事業では自社プロダクト重視によるアフィリエイト強化や利益率改善、メディア運営事業では既存事業の拡大・収益改善や新規メディア領域への投資、海外事業では中国などでの営業強化を掲げている。
アライアンス戦略では13年10月にモバイル広告ネットワーク事業の米アーキと戦略的業務提携、13年11月にO2Oマーケティングソリューション事業のモギーと資本業務提携、13年12月に中国・上海の子会社ISUCが中国最大のアフィリエイトネットワーク「億起発(イーチーファー)」を提供するEMAR(イーマー)と業務提携した。14年5月にはクーポン情報メディア「クーポンランド」運営のサイファに出資した。
14年7月には日本最大級のクラウドソーシングサービスを提供するランサーズと業務提携した。両社のサービスを相互に提供し、セミナー開催や支援事業などでの連携も強化する。14年8月にはスマートフォンアプリ向け動画広告配信ネットワーク「AppVador」を運営するアップベイダーと資本提携した。アフィリエイトサービス「アクセストレード」が配信するバナー広告に動画素材を活用する方針だ。
8月5日に発表した今期(14年9月期)第3四半期累計(10月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比7.3%増の122億52百万円、営業利益が同52.9%増の6億45百万円、経常利益が同51.7%増の6億44百万円、純利益が同2.2倍の3億52百万円だった。主力のインターネット広告事業が好調に推移し、メディア運営事業の収益改善も寄与した。
セグメント別に見ると、インターネット広告事業は売上高が同4.8%増の112億12百万円、営業利益が同10.7%増の6億42百万円だった。金融分野が伸び悩んだが、eコマース分野やサービス分野が好調に推移した。店舗アフィリエイトサービス「ストアフロントアフィリエイト」は4月に消費増税の反動影響があったが、各キャリアの新機種販売開始などで概ね好調に推移した。メディア運営事業は売上高が同44.0%増の10億39百万円、営業利益が2百万円(前年同期は1億58百万円の赤字)だった。ソーシャルゲームの新規タイトル投入が遅れたが、メディア広告売上が好調だった。
通期の連結業績見通しは8月5日に増額修正した。売上高は1億20百万円増額して前期比9.5%増の166億20百万円、営業利益は1億31百万円増額して同30.7%増の7億73百万円、経常利益は1億40百万円増額して同30.5%増の7億79百万円、純利益は81百万円増額して同2.0倍の4億円とした。配当予想は前回予想(13年11月12日公表)を据え置いて前期と同額の年間5円(期末一括)としている。
インターネット広告事業ではスマートフォン広告が増加基調であり、アフィリエイトサービス「アクセストレード」がeコマース分野やサービス分野を中心として好調に推移する。店舗アフィリエイトサービス「ストアフロントアフィリエイト」も新規店舗ネットワークの開拓などで順調のようだ。
メディア事業では「ママスタジアム」ユニークユーザー数増加でメディア広告売上が増加基調である。ソーシャルゲームでは既存の女性向け恋愛ソーシャルゲーム「愛しのショコラティエ」と「プリンセス・クローゼット」が堅調であり、9月リリース予定の「Bonjour♪恋味バティスリー」も寄与する。第4四半期(7月~9月)以降にはブラウザおよびネイティブアプリの複数リリースを予定しているようだ。
通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が73.7%、営業利益が83.5%、経常利益が82.7%、純利益が88.0%と高水準であり、通期利益は再増額の可能性が高いだろう。インターネット広告市場は拡大基調であり、中期成長に対する期待感も高まる。
株価の動きを見ると、8月4日戻り高値1467円から8月8日1080円まで急反落した。第3四半期累計の好業績に対しては、全般地合い悪化も影響して材料出尽くしとなった形だ。ただしその後は切り返しの動きを強め、8月29日には1398円まで上伸して8月4日の戻り高値に接近している。目先的な売りが一巡して好業績見通しを評価する動きだろう。
8月29日の終値1398円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円21銭で算出)は23~24倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は0.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS360円24銭で算出)は3.9倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなった。900円~1200円近辺のボックス展開から上放れて強基調へ転換した形であり、出直り本格化して13年12月高値1716円を目指す流れだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ネット広告やソーシャルアプリを展開するインタースペースの株価は、8月4日戻り高値1467円から8月8日1080円まで急反落した。
economic
2014-09-01 07:30