【為替本日の注目点】ECB追緩和観測からユーロ安、欧州景気さらなる悪化が懸念
NY市場
ドル円は株高や長期金利の上昇に104円台に乗せて引ける。シカゴ購買部協会景気指数など良好な経済指標もドル買いを促す。
ユーロドルは域内のインフレ率が低下したことから追加緩和観測が高まり売られる。一時1.3132まで下落し、直近安値を更新。
株式市場は8月の消費者マインド指数が予想を上回ったことで上昇。S&P500は最高値を更新する。
債券相場は小幅に反落。連休を控え利益確定の売りに押されたが、ウクライナ情勢が緊迫していることから下落幅は限られた。
金は反落し、原油は4日続伸。
7月個人所得 → +0.2%
7月個人支出 → -0.1%
7月PCEコアデフレーター → +1.6%
8月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値) → 82.5
8月シカゴ購買部協会景気指数 → 64.3
ドル/円 103.82~ 104.11
ユーロ/ドル 1.3132 ~ 1.3193
ユーロ/円 136.59 ~ 137.16
NYダウ +18.88 → 17,098.45ドル
GOLD -3.00 → 1,287.40ドル
WTI +1.41 → 95.96ドル
米10年国債 -0.003 → 2.340%
本日の注目イベント
中 中国 8月非製造業PMI
中 中国 8月HSBC製造業PMI(改定値)
独 独4-6月期GDP(改定値)
欧 ユーロ圏8月製造業PMI(改定値)
英 英8月製造業PMI
米 NY市場休場(レーバーデー)
欧州連合(EU)は30日の臨時首脳会議で、ウクライナ東部での戦闘が激化すれば、ロシアに対する制裁を強化することで合意しました。エネルギーや金融の分野を対象とする可能性があり、今回の会議ではロシアが緊張緩和に向けた行動をとらなければ、1週間以内に欧州委員会に対して制裁の提案を行うという点が特徴です。
ウクライナ東部には数千人のロシア軍兵士が侵攻していると見られ、ウクライナのポロシェンコ大統領は「われわれは後戻りできない限界点に近づいている」と指摘しています。ロシアに対するEUの制裁が強化されれば、域内の物価下落圧力がさらに増し、ECBによる追加緩和の可能性がさらに高まることになります。
そのためユーロドルはさらに売られ、先週末には1.3132の安値を記録しています。ユーロについては、ショートポジションが積みあがっていることから、急落には至っていませんが、緩やかな下落基調をたどっています。ロシアとの貿易が制限されれば、ユーロ圏の景気がさらに落ち込み、失業率の上昇につながります。追緩和観測でユーロが売られますが、さらに実態景気からも売られる展開になりそうです。早ければ今週のECB理事会で、何らかの緩和策が決定されることもあり得ると予想しています。
ドル円は先週月曜日に104円台半ばまで上昇した後、上昇スピードが早すぎたせいか「調整」を続けてきましたが、再び104円台に乗せて帰って来ました。焦点は104円台が維持できるかどうかですが、先週と同じ様に上値を抑えられ徐々に下落するようだと再び上値の重さが意識され104円台定着に失敗するかもしれません。
ただこのところのドル高は、良好な米経済指標が利上げ観測の前倒しにつながっており、先週末に発表された消費者マインドでも明らかなように、米景気の拡大は今後も続きそうです。上述のように、欧州では景気のさらなる悪化が懸念され、日本も4月の消費税増税の影響がじわじわと出てきました。米国の優位性は明らかだと思われ、これがドル高をサポートしています。
本日はNY市場が「レーバーデー」のため休場です。そのため値幅は限定的かと思われますが、予想レンジは103円80銭~104円40銭程度を見ています。東京時間では、朝10時と10時45分の中国のPMIが注目されます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は株高や長期金利の上昇に104円台に乗せて引ける。シカゴ購買部協会景気指数など良好な経済指標もドル買いを促す。
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2014-09-01 09:15