今週の為替相場見通し(2014年9月1日-)=為替王

 豪ドルがじわじわ上がっています。先週も年初来高値を更新して、1豪ドル=97.2円まで上がってきました。今年の豪ドル円は1月下旬~2月上旬にかけて88円まで落ち込む場面がありました。経済状態はさほど良くはないのですが、それでも政策金利2.5%は先進国の中では高金利であることなどから買いニーズは根強く、4月以降は高値圏(およそ94~96円)での推移が続いていました。チャート分析の観点で8月下旬に、これまでのレンジ相場を上抜けようかというシグナルが点灯。先週号の為替相場見通しの記事において、「1豪ドル=100円を目指す可能性を十分に秘めている」と書きました。そして先週はじりじり上昇して97円まで上がってきたところです。今週の豪州は、2日に政策金利、3日にGDPなど重要指標の発表があります。政策金利は2.5%のままで変更なしと見られます。  一方、GDPは低めの成長率(前期比+0.4%程度)が見込まれています。多くの市場参加者のGDP予想値が低いため、逆にいえば、上振れする可能性は大きく、そうなれば豪ドル高の材料になりやすいと考えます。  ユーロは7月から「1.31台に下落する」とかなり大胆な予想を掲げてきて、先週本当に予想ターゲット(1.31台)に到達しました。チャート分析の観点ではユーロドル相場には下落エネルギーはほとんど残っておらず、これ以上の下落は、いずれ短期的に戻ってくる可能性が高いと考えられます。  一方、ユーロ円はユーロドルに比べますと、8月はあまり下落せずに踏ん張ってきました。7月後半以降、136~138円あたりの範囲で保ち合いが形成されています。下限は136円台(もっと細かくいえば136円台半ばあたり)がサポート帯となっています。もしその下限を割り込みますと、状況が悪化する可能性があり、具体的には133円台突入は避けられない情勢になると考えます。ただ、まだそうと決まったわけではなく、他の通貨が堅調なことから、ユーロ円も下限で支えられて反発する可能性もあり、慎重に見極めたいです。  ポンド円は8月中旬以降はやや上向きの状態が続いており、引き続き、173~174円あたりを目指す可能性があると考えます。(執筆者:為替王)
豪ドルがじわじわ上がっています。先週も年初来高値を更新して、1豪ドル=97.2円まで上がってきました。今年の豪ドル円は1月下旬~2月上旬にかけて88円まで落ち込む場面がありました。
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2014-09-01 09:15