サムスンの苦境 「自信過剰によるもの」とアナリスト見解=中国メディア

中国メディア・騰訊科技は1日、韓国の電子大手サムスン電子がすでに危機的状態に陥っており、積極的な“自己救済措置”が必要であるとするアナリストの分析を伝えた。
記事は、今年に入って米アップルの株価が28%上昇したのに対してサムスンの株価は10%低下したと紹介。そのうえで、野村証券の韓国系アナリストが「現在のサムスンには危機管理能力が非常に求められている」とコメント、同社の利潤は予想を超えるペースで減少しているとし、第3四半期の目標達成が厳しい状況であると警告したことを伝えた。
このアナリストらは、サムスンが製品の差別化に失敗しており、プロバイダーが在庫を抱えたがらない状況下でアップルのiPhone 6のリリースが迫ったことにより、状況悪化を加速させたと分析。また、中国メーカーのローエンド向けスマートフォンも同社にとって大きなインパクトになっているとした。
記事はまた、韓国の市場研究機関Counterpointのアナリストも「果敢な措置によって、ミドルエンド・ローエンド市場の競争力を確保しなければならない」とし、同社がハイエンド市場におけるアップルとの競争に精力を注ぎ過ぎたと論じたことを紹介。「ハイエンドでの負けを認め、ミドル・ローで同じ轍を踏まないようにしなければならない」と指摘したことを伝えた。
今年6月現在で、価格400米ドル(約4万1700円)以上のハイエンドスマートフォンの市場シェアで、サムスンは前年の51%から38%へと下落、一方でアップルは28%から45%へと伸ばしている。
中国とインドのローエンド向けメーカー参入によって、スマートフォン業界は激しい価格競争時代に入った。Counterpointのアナリストは「サムスンはこの分野のスマートフォンの価格破壊がこれほど急激に進むとは予測していなかったに違いない」と語った。
野村証券のアナリストは、サムスンの苦境は「自信過剰によるもの」と指摘する。その一方で「サムスンは危機管理手段を講じて現在の危機克服に成功すると予測しており、株価のさらなる下落も限定的とみている」とした。
記事は、市場からの警告をくみ取ったサムスンは2年前より設計、ソフトウェア、バイオシステムの分野で攻勢をかけているものの、その効果は今のところわずかであると伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C) Kunanon Tuntasoot/123RF.COM)
中国メディア・騰訊科技は1日、韓国の電子大手サムスン電子がすでに危機的状態に陥っており、積極的な“自己救済措置”が必要であるとするアナリストの分析を伝えた。(イメージ写真提供:(C)Kunanon Tuntasoot/123RF.COM)
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2014-09-01 21:15