高齢化産業への投資加熱も、ニーズの掘り起こしが追いつかず 5年後には業界再編の恐れ=中国メディア

 中国メディア・第一財経日報はこのほど、急速な高齢化によって高齢者サービス産業への投資が過熱する一方で、ニーズの掘り起こしが追い付かず、5年後には一部企業が倒産の危機に瀕する可能性があるとの見方が出ていることを報じた。  記事は、高齢化が急速に進む中国では2013年以降、政府が高齢者ケア産業にかんする政策や指導意見を立て続けに発表したことを紹介。中央政府は「サービス業発展専門資金」として24億人民元(約407億円)を捻出し、吉林省、山東省などで実験中の「高齢者サービス産業の市場化」に対して支援することを伝えた。  政策が続々発表されることに伴いこの分野への投資も加速、記事はデベロッパー、保険会社、高齢者サービス専門機関などが続々とプロジェクトに参加するようになったとした。まず高齢者サービス向け不動産開発が一定の規模をもつようになり、これに続いて高齢者に関連する金融製品の創作が進んでいると伝えた。  その一方で、社会資本による高齢者サービス産業への情熱が高まっているのとは対照的に、この分野の市場では予測されていたような爆発的なニーズはいまだ生じていないとした。その例として、高齢者向けの不動産物件の多くは資産目的で子女が両親のために購入するケースが多いことなどを紹介。ある不動産業者が「高齢者サービス産業の黄金時代は2035年ごろにやって来る」と予測したとした。  そのうえで、上海のあるコンサル企業社長が「産業に対する投資が、消費ニーズの掘り起こしより早い段階で行われているため、今後5年以内に一部の高齢者サービス産業企業は倒産の危機に瀕する可能性がある」と分析、淘汰を免れるためには、産業内での堅いニーズや新たなモデルを模索し、産業チェーンの中で自らの優位性を発揮できるよう努めることが必要だと論じたことを伝えた。(編集担当:今関忠馬)
中国メディア・第一財経日報は1日、急速な高齢化によって高齢者サービス産業への投資が過熱する一方で、ニーズの掘り起こしが追い付かず、5年後には一部企業が倒産の危機に瀕する可能性があるとの見方が出ていることを報じた。
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2014-09-01 21:45