ワークマンは6月高値突破、中期成長力評価して上値追い

  作業服店チェーンのワークマン <7564> (JQS)の株価は、6月高値5930円から利益確定売りで一旦反落し、7月17日に4930円、そして7月30日に4910円まで調整する場面があった。しかし利益確定売り一巡後は切り返しの展開となり、8月27日には5990円まで上伸して6月高値を突破した。中期成長力を評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。9月1日に発表した8月既存店売上高の好調も支援材料だ。   ワーキングウェアや作業関連用品などの大型専門店チェーンをFC中心に全国展開している。ローコスト経営を特徴とするとともに、他社との差別化戦略としてPB商品「WORKMAN BEST」の開発・拡販、さらに単品管理プロジェクトの推進、地域特性に合わせた売り場づくりなどを強化している。   前期(14年3月期)末店舗数は1都2府37県下にFC店(加盟店A契約店舗)618店舗、直営店(加盟店B契約店舗およびトレーニング・ストア)112店舗の合計730店舗である。中期的には22年3月期に全国1000店舗、28年3月期に全国1300店舗の展開を目指している。   今期(15年3月期)の業績(非連結)見通しは、前回予想(4月30日公表)を据え置いてチェーン全店売上高が前期比6.0%増の729億円、営業総収入(売上高)が同7.3%増の516億40百万円、営業利益が同7.8%増の90億30百万円、経常利益が同7.0%増の101億70百万円、純利益が同11.0%増の61億90百万円で、配当予想は前期と同額の年間83円(期末一括)としている。   5期連続の増収増益で最高益更新の見込みだ。既存店売上高は同4.2%増(客数が同3.2%増、客単価が同1.0%増)を想定し、PB商品売上構成比は同1.7ポイント上昇の12.3%を計画している。店舗展開は新規出店25店舗、S&B(スクラップ・アンド・ビルド)4店舗、運営形態変更23店舗で、期末店舗数は755店舗(直営117店舗、FC638店舗)の計画だ。出店エリアとしては北海道に初出店する。   4月は消費増税の反動影響が見られたが、第1四半期(4月~6月)はチェーン全店売上高が前年同期比3.1%増と好調に推移し、同5.4%増収(営業総収入)、同4.5%営業増益、同5.1%経常増益、同9.6%最終増益と概ね順調だった。そして第2四半期累計(4月~9月)見通しに対する進捗率は営業総収入が52.3%、営業利益が55.7%、経常利益が55.2%、純利益が57.6%と高水準であり、上振れの可能性が高まっている。   テレビCM放映による知名度向上、積極的な新規出店と出店エリア拡大、既存店の好調、さらにPB商品売上構成比の上昇による粗利益率改善などで、中期的にも収益拡大基調だろう。   なお9月1日に発表した月次売上高(FC店と直営店の店舗売上高合計、前年比速報値)を見ると、14年8月は全店108.6%、既存店107.1%で、14年4月~8月累計は全店104.0%、既存店102.3%となった。8月は全店、既存店とも今期最も高い伸び率となった。台風や前線の影響で平年より降水量が多かったことで合羽や長靴などの雨具類、さらに作業関連商品が好調だった。8月の新規出店はなく、8月末店舗数は738店舗である。   株価の動きを見ると、6月高値5930円から利益確定売りで一旦反落し、7月17日に4930円、そして7月30日に4910円まで調整する場面があった。しかし利益確定売り一巡後は切り返しの展開となり、8月27日には5990円まで上伸して6月高値を突破した。中期成長力を評価する流れに変化はないようだ。   9月1日の終値5760円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS303円85銭で算出)は19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間83円で算出)は1.4%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS1953円29銭で算出)は2.9倍近辺である。週足チャートで見ると水準を切り上げて6月高値を突破した。13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドを継続している。中期成長力を評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
作業服店チェーンのワークマン<7564>(JQS)の株価は、6月高値5930円から利益確定売りで一旦反落し、7月17日に4930円、そして7月30日に4910円まで調整する場面があった。
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2014-09-02 09:15