東京個別指導学院は7月高値から一旦反落したが、下値切り上げトレンド継続して反発のタイミング
小中高校生向け個別指導学習塾を展開する東京個別指導学院 <4745> の株価は、急騰した7月7日高値490円から反落して反動調整局面となったが、380円近辺で調整一巡感を強めている。下値切り上げトレンドは継続しており、反発のタイミングだろう。将来に向けた政府による教育改革検討などで、個別指導学習塾への期待感は一段と高まっている。国の政策も支援材料だ。
ベネッセコーポレーション <9783> グループで、小中高校生向けの個別指導学習塾を展開している。前期(14年2月期)末の教室数は首都圏158教室、関西地区37教室、東海地区8教室、九州地区5教室の合計208教室で、小中高校生合計の期中平均在籍人数は前々期比8.6%増の2万3790人だった。
テレビCMの実施、Webマーケティングの積極的活用、ベネッセコーポレーションとの連携強化、自社コールセンターの強化、新規教室開校、顧客の利便性や収益性の改善を目指した教室移転・リニューアル・増床、iPadを活用した映像学習の全教室導入、目的別・学力別・性格別完全オーダーメイド個別指導の強化などで、新規入会者・在籍生徒数の増加を推進している。
14年4月には、13年10月発表の中期経営計画「Shining☆2015」のローリングプランを発表している。前期実績が計画を上回ったことなどを考慮して売上高目標を上方修正し、16年2月期の売上高169億円以上(修正前は163億円以上)、営業利益23億円以上、教室数219教室、生徒数(4月末)2万4500人以上とした。
14年8月にはインターネットによる個別指導「東京個別指導学院ネット教室」を開始した。中期経営計画「Shining☆2015」の重点戦略の一つとして進めてきた新規事業で、パソコンやモバイル端末を活用した高い双方向性通信によって、各教室にて提供している高品質・高付加価値の授業の再現が可能になるとしている。
今期(15年2月期)の業績(非連結)見通しは前回予想(4月9日公表)を据え置いて売上高が前期比10.1%増の157億72百万円、営業利益が同25.9%増の16億02百万円、経常利益が同25.6%増の16億05百万円、純利益が同23.4%増の9億10百万円、配当予想は同2円増配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。
新規開校は7教室の計画で、14年7月に今期7教室目の「川崎市・溝の口南口教室」を新規開校した。新規教室開校や生徒獲得活動強化策の効果で新規入会者数および在籍生徒数が増加し、14年4月に開始した新サービス「進研ゼミ個別サポート教室」の全教室での実施、14年4月にベネッセコーポレーションから譲り受けた「Benesseサイエンス教室」「Benesse文章表現教室」など新分野への事業展開、そしてコストの効率化や適正化なども寄与して大幅増収増益見込みだ。
第1四半期(3月~5月)は、新規教室開校や積極的なマーケティング戦略に伴う費用増加も影響して前年同期並みの赤字だったが、売上面では新規教室開校やマーケティング戦略効果で入会者数が増加し、春季講習会も堅調で増収だった。学習塾・教育関連業界の特徴として四半期ごとに業績の季節変動が発生しやすい収益構造があり、春季は卒業などで一時的に在籍生徒数が減少する時期(当社の場合は第1四半期)のため営業赤字となりやすい。このため第1四半期の営業赤字はネガティブ要因とはならないだろう。
少子化による学齢人口の縮小が継続しているが、教育内容変更など将来に向けた政府による教育改革検討に伴い、教育環境変化への不安・関心の高まりで個別指導学習塾への期待感は一段と高まっている。祖父母から孫への15百万円までの教育資金贈与非課税制度についても期限延長などが検討されている。国の政策も追い風だ。
株価の動きを見ると、急騰した7月7日高値490円から反落して反動調整局面となったが、380円近辺で調整一巡感を強めている。8月13日、8月15日、そして9月1日の直近安値376円で値固めが完了した可能性があるだろう。
9月2日の終値386円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS16円77銭で算出)は23倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.1%近辺、前期実績PBR(前期実績BPS128円21銭で算出)は3.0倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んで調整局面だが、週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋っている。サポートラインを確認した形だ。下値切り上げトレンドは継続しており、短期調整が一巡して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
小中高校生向け個別指導学習塾を展開する東京個別指導学院<4745>(東1)の株価は、急騰した7月7日高値490円から反落して反動調整局面となったが、380円近辺で調整一巡感を強めている。
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2014-09-03 09:15