スコットランド独立でイギリスポンドはどうなるか？＝為替王

　スコットランドが独立するかもしれません。もしそうなればイギリス経済が混乱したり、為替市場ではポンドが急落する可能性が出てきます。 　Ｑ：スコットランドってどこ？ 　スコットランドは、イギリスを構成する４つの王国のひとつで、イギリスの北部に位置します。スコットランド王国は、もともと独立した王国でしたが、１７０７年にイングランド王国（イングランドとウェールズ）と統合されました。 　Ｑ：なぜ独立？ 　イギリスといえば、イングランドが中心で全体を支配しているようなイメージがつきまといます。経済的にも「北海油田」は大部分をスコットランドが領有するのに、その利益を吸い上げられているという不満があります（逆に、北海油田があるがゆえに、スコットランドは独立してもやっていけるとの主張につながっています）。スコットランドの要望に譲歩する形で、１９９９年にはスコットランド議会の設置および権限委譲がなされましたが、独立運動は沈静化するどころかむしろ、分離独立を主張する党が選挙のたびに議席数を伸ばしてきました。 　Ｑ：スコットランド独立の住民投票はいつ？ 　今月１８日に、スコットランドの独立の是非を問う住民投票が行われます。イギリス中央政府は、「スコットランドが独立すれば通貨ポンドは使わせない」などと牽制。スコットランド内でも独立に反対する慎重な意見が多数派でした。しかし最近は独立賛成派がテレビ討論などで巻き返しに成功しており、最新の世論調査では独立の賛成派４２％、反対派４８％（どちらとも言えない１０％）。予断を許さない状況になりつつあります。 　Ｑ：もし独立したら？ 　現時点で反対派が優勢ですが、もしも賛成派が勝利して独立することになったら？イギリス経済は大混乱に陥ります。イギリスが北海油田を失えば経済的なダメージは計り知れません。ただ、一方のスコットランドも安定の主要通貨ポンドを使えなくなり、独自に信用に足る通貨および金融制度を確立するのは容易ではありません。長期的には相当な混乱が予測される上、短期的にもイギリス株および通貨ポンドが急落する可能性があると思われます。（執筆者：為替王）