勢いのあるドル/円の上昇トレンドは簡単に崩れない=外為どっとコム総研

 9月になって一気に1ドル=105円台に乗せてきたドル/円の動きについて、外為どっとコム総合研究所の研究員、川畑琢也氏は、「1ドル=105円台に乗せてきたドル/円は、力強い上昇トレンドの途上にある。当面の動きから目が離せない」と語っている。テクニカル分析の結果としてメインシナリオは、1ドル=107円前後が高値のメドになるという見方だが、このまま1ドル=110円の高値に進むこともありうると見通している。(写真は外為どっとコム総研の川畑琢也氏、サーチナ撮影) ――ドル/円は8月20日に1ドル=103円台に乗せてから動きが軽くなり、9月2日には105円台にまで上昇しています。当面の見通しは?  8月下旬以降、9月に入ってからも続いているドル/円の力強い上昇トレンドが続いています。チャート的には、三角もち合いの一種であるディセンディング・トライアングルを上抜き、日足・週足の一目均衡表で三役好転が点灯していることから、簡単には崩れそうにない動きだと見て取れます。  当面のフシ目としては、今年の年初来高値である1ドル=105.440円が意識されます。この水準は、リーマン・ショック前の高値である2007年の1ドル=124.120円から、2011年10月に付けた安値75.320円の下げ幅の61.8%戻し(105.478円)の抵抗水準になっています。ここがクリアすれば、三角もち合いを突破した勢いで、三角もち合いの高さに相当する1ドル=106.702円が目標値になります。  現在、市場では1ドル=110円への挑戦といったような声も聞こえてきます。しかし、サイクル面での指標を分析すると、110円に向けた上伸は来年と予想されます。1971年から計測される45-46週のサイクルボトムの応答が12月22日からの週になっていることから、年末に向けてサイクルボトムを付けに行く動きとなると見通せるためです。これがメインシナリオだと思います。  ただし、今回の上昇によって2007年高値から2011年安値の3分の2戻しにあたる1ドル=107.853円を超えると、年内に110円に到達する可能性もでてきます。  一方、今回の上げ相場が年初来高値を抜けきれない場合でも、すぐに失速することはないと思います。今年1月の高値を付けた場面でも、徐々に上値を切り下げたように、今回の上昇トレンドも値崩れは起こしにくいと思います。  当面のレンジは、1ドル=102円-107円を予想します。 ――ユーロ/円については? ユーロ/ドルは弱い動きに見て取れますが、ドル/円で円は売られる通貨という見通しでした。ドルに対して弱いユーロと、ドルに対して弱い円という板挟みになっているユーロ/円をテクニカル分析すると?  現在の為替相場は、材料面ではドルが主役になっています。米FRBの金融政策を先読みしながら、ドルの上昇トレンドがいつ始まり、どこまで続くのかということに関心が集中しています。このドル主役マーケットの中で、円が時々売られるため、ユーロ/ドルとドル/円に挟まれてユーロ/円は複雑な動きが続くと思います。  複雑な動きとはいえ、それなりに値動きはあるので、売買は値ごろ感で行わず、チャートポイントを意識しながら、計画的に、かつ、無理なく行うようにしたいところです。方向感を模索する展開が予想されるので、当面は見送ったほうが無難な通貨ペアといえます。  一目均衡表を見ると、日足は崩れていますが、週足は雲の中で推移しています。この辺りに、市場の気迷いを見て取ることもできますが、動きが出てくるとすれば、週足が入っている雲を上下のどちらに抜けるかがポイントになります。雲を抜け出すと、今よりもはっきりしたトレンドが見通せるようになると思います。  当面は、1ユーロ=135円-140円のレンジでもみ合う動きになるでしょう。 ――その他、注目されている通貨ペアは?  ニュージーランド(NZ)ドル/円に押し目買いのチャンスがあると思っています。すでに年初来高値を更新した豪ドル/円は、さすがにこれから追いかけるには勇気が必要ですが、NZドル/円には1NZドル=85円に接近する場面では、上値までの妙味もあって面白いと思います。  また、現在、年利3.5%という金利がついている通貨なので、少し長い目でスワップポイントを取りながら、上値が狙える通貨ペアといえます。  チャート的には週足で52週移動平均線がサポートする上昇トレンドが崩れていません。リーマン・ショック前には1NZドル=97.730円の高値があったので、87円を下回るような場面では値幅も期待できると考えます。当面のレンジは1NZドル=85円-95円と予想します。(編集担当:徳永浩)
9月になって一気に1ドル=105円台に乗せてきたドル/円の動きについて、外為どっとコム総合研究所の研究員、川畑琢也氏は、「1ドル=105円台に乗せてきたドル/円は、力強い上昇トレンドの途上にある。
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2014-09-04 18:00