キーコーヒーは着実に水準切り上げて3月高値を突破、上値追い
レギュラーコーヒー大手のキーコーヒー <2594> の株価は、やや小動きだが着実に水準を切り上げている。8月25日に1654円を付けて13年2月と14年3月の高値1650円を突破し、9月3日には1661円まで上値を伸ばしテいる。急騰した08年5月1846円以来の高値水準だ。積極的な業容拡大戦略を評価して上値追いの展開だろう。
コーヒー関連事業(業務用・家庭用レギュラーコーヒーの製造・販売)を主力として、飲食事業(イタリアントマト、アマンド)も展開している。ブランド強化、収益力強化、グループ連携強化を3つの柱として、新商品の開発・投入、新たな事業領域の開拓を強化している。
市場開発に対する施策として取り組んでいる「キーズカフェ」導入店舗は、前期(14年3月期)末時点で15店舗となった。8月24日には新名所として賑わいを見せる東京・新虎通りに面した本社1階に「キーズカフェ クラッセ」をスケールアップしてオープンしている。またイタリアントマトの前期末時点の店舗数は直営80店舗、FC222店舗の合計302店舗で、海外はASEAN地域への展開も積極推進している。
M&Aも積極活用している。13年1月に銀座ルノアール <9853> を持分法適用会社化し、14年2月にはネット通販市場での事業拡大に向けて、インターネットを中心にコーヒー豆の焙煎加工販売を展開するhonu加藤珈琲店を子会社化した。積極的な業容拡大戦略で中期成長が期待される。
今期(15年3月期)の連結業績見通しは前回予想(5月12日公表)を据え置いて、売上高が前期比2.2%増の548億円、営業利益が同16.0%減の13億円、経常利益が同12.4%減の17億円、純利益が同2.6%減の10億円、配当予想が同1円増配の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。
コーヒー生豆相場の高騰、円安による輸入原材料価格の上昇、消費増税に伴う消費マインド低下などの影響を考慮して営業減益見込みとしている。ただし第1四半期(4月~6月)は前年同期比0.6%減収、34.6%営業減益、25.6%経常減益、36.3%最終減益だったが、通期見通しに対する進捗率は売上高が25.3%、営業利益が37.0%、経常利益が36.8%、純利益が35.4%と高水準だった。
コーヒー生豆相場の動向次第で収益が変動するものの、業務用市場でのプレミアムコーヒーの拡販、家庭用市場での季節限定商品の投入やギフト商品ラインナップ充実などの効果に加えて、honu加藤珈琲店の連結も寄与して通期上振れの可能性があるだろう。
株主優待については、毎年3月末日および9月末日現在の100株以上所有株主に対して自社製品の詰め合わせを贈呈している。100株以上~300株未満所有株主に対しては1000円相当、300株以上~1000株未満所有株主に対しては3000円相当、1000株以上所有株主に対しては5000円相当を贈呈する。
株価の動きを見るとやや小動きだが着実に水準を切り上げている。8月25日には1654円を付けて13年2月と14年3月の高値1650円を突破した。そして9月3日には1661円まで上値を伸ばしている。急騰して付けた08年5月1846円以来の高値水準だ。積極的な業容拡大戦略を評価する動きだろう。
9月4日の終値1659円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円08銭で算出)は38倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1541円85銭で算出)は1.1倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドだ。上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
レギュラーコーヒー大手のキーコーヒー<2594>(東1)の株価は、やや小動きだが着実に水準を切り上げている。8月25日に1654円を付けて13年2月と14年3月の高値1650円を突破し、9月3日には1661円まで上値を伸ばしテいる。
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2014-09-05 09:15