ANAPは小動きだがモミ合い水準切り上げ、15年8月期の収益改善期待で出直り
レディス向けカジュアル衣料・雑貨のANAP <3189> (JQS)の株価は、前期(14年8月期)業績減額修正を嫌気して800円台半ばでモミ合う展開だったが、8月下旬以降は小動きだがモミ合い水準を900円近辺に切り上げている。前期の収益悪化は織り込み済みであり、今期(15年8月期)の収益改善期待で出直り展開だろう。
10代~20代の女性を中心に幅広い年齢層から支持されているレディス向けカジュアル衣料・雑貨「ANAP(アナップ)」を基幹ブランドとして、特徴の異なるサブブランドも並行展開している。ブランド認知度の高さ、新鮮な品揃え、多品種・小ロット販売などを特徴としている。
販売は、ショッピングセンターなどに出店する店舗販売(14年2月末時点で全国94店舗)を主力に、自社ECサイト「ANAPオンラインショップ」のネット通販、および全国のセレクトショップ向け卸売を展開している。
収益改善や中期成長に向けた重点戦略としてネット通販を強化している。自社ECサイトに加えて、スタートトゥデイ <3092> が運営する「ZOZOTOWN」「LABOO」へ出店し、14年5月にはクルーズ <2138> が運営するファストファッションサイト「SHOPLIST.com by CROOZ」にも出店した。
前期(14年8月期)の業績(非連結)見通し(4月11日と7月11日に減額修正)は、売上高が前期比3.4%増の88億79百万円、営業利益が4億81百万円の赤字(前々期は4億02百万円の利益)、経常利益は4億65百万円の赤字(同6億21百万円の利益)、純利益は3億86百万円の赤字(同2億61百万円の利益)としている。
ネット通販事業は好調だが、13年秋の残暑や台風、14年2月の記録的な大雪など天候不順の影響に加えて、14年4月の消費増税の影響などで店舗販売の既存店売上高が想定を下回った。利益面では、在庫圧縮のためのセール販売増加による粗利益率低下、商品出荷配送・保管業務に係るアウトソーシング費用の増加などが影響したようだ。特別損失では不採算店舗の減損損失97百万円を計上する。
今期(15年8月期)については天候不順や消費増税の影響一巡に加えて、経営体質改善や収益改善に向けた施策の効果が期待される。不採算店10店舗閉鎖(14年9月予定)、ネット通販拡大、物流効率化、経費削減などの施策を強化する方針であり、抜本的対策が寄与して収益改善が期待されるだろう。
株価の動きを見ると、7月11日の前期業績減額修正を嫌気して概ね800円台半ばでモミ合う展開だったが、8月下旬以降は小動きだがモミ合い水準を900円近辺に切り上げている。8月22日と28日には900円台を回復する場面もあった。前期の収益悪化は織り込み済みで、今期の収益改善を期待する動きだろう。
9月4日の終値は895円だった。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破して水準を切り上げた。また週足チャートで見ると13週移動平均線が下値を支え、26週移動平均線突破の動きを強めている。5月安値663円で底打ちは確認しており、今期の収益改善期待で出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
レディス向けカジュアル衣料・雑貨のANAP<3189>(JQS)の株価は、前期(14年8月期)業績減額修正を嫌気して800円台半ばでモミ合う展開だったが、8月下旬以降は小動きだがモミ合い水準を900円近辺に切り上げている。
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2014-09-05 09:15