中国のシリコン産業 市場回復の兆しも「生産過剰に警戒せよ」と業界関係者=中国メディア

 中国メディア・新華網は6日、停滞していたシリコン市場が回復の様相を呈したことにつて、中国有色金属工業協会関係者が「シリコン生産過剰問題の発生を警戒しなければならない」とコメントしたと報じた。  記事は、今年に入ってから産業政策によるサポートや市場ニーズの増加といった要因により、中国のシリコン市場が全面的な回復をみせたと紹介。シリコンの原料となる金属ケイ素の今年上半期の生産量が前年同期比16.7%増の70万トン、輸出量が同27%増の39万トン、平均価格が同23%増の1トンあたり16万1000人民元(約276万円)、多結晶シリコン業界の利潤が同208%増の6億元(約103億円)となったことを伝えた。  そのうえで、同協会の任旭東副会長が先日の「2014中国国際シリコン産業大会」において「シリコン市場が全面的回復した一方で、激しい競争、構造的な問題、イノベーション不足、交際貿易におけるトラブルなど数々の試練に直面している。わが国はシリコン原料生産大国から、ハイエンド製造大国へと発展しなければならない」とコメントしたことを紹介した。  任副会長は、業界において新たな「生産能力過剰」が発生することを警戒、「環境保護検査の強化、生産量拡大の制御、高エネルギー消費・高汚染の生産力の淘汰、合併などによる産業の集約化、集積回路やソーラーパネルなどの新興産業発展に努め、国際競争力を付けなければならない」とも語った。  中国では現在、鉄鋼業界が深刻な生産過剰によって厳しい状況に置かれている。「うま味」があると見込まれる産業に対して企業の無秩序な参入が繰り広げられ、結果的に生産過剰に陥って共倒れするケースは中国では珍しくない。任副会長の発言は、鉄鋼業界と同じ轍を踏まないよう意識したものと言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディア・新華網は6日、停滞していたシリコン市場が回復の様相を呈したことにつて、中国有色金属工業協会関係者が「新たなシリコン生産過剰問題の発生に警戒しなければならない」とコメントしたと報じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-09-06 21:30