メディアスホールディングスは売り一巡して反発のタイミング、今期営業減益見通しだが上振れ余地

  医療機器販売のメディアスホールディングス <3154> (JQS)の株価は、6月24日の年初来高値3090円から6月期末の配当権利落ちも影響して反落し、8月11日発表の今期(15年6月期)営業減益見通しで水準を切り下げた。ただし2700円台では下げ渋る動きだ。今期業績見通しには上振れ余地があり、売りが一巡して反発のタイミングだろう。   医療機器・医療材料の販売・メンテナンス事業を主力として、介護・福祉機器の販売・レンタル事業も展開している。商品戦略では、医療機関への医療機器・医療材料の販売に加えて、手術室運営支援ソフトウェア、医療材料データベース、プライベートブランド商品などの販売も促進し、複合的サービスを強化している。   手術室業務支援ソフトウェア「サージレーン」は、効率の良い病院手術室運営を提案して機器・備品売上の拡大に繋げるもので、導入施設数は大病院を中心に8施設となっている。医療材料データベース・医療材料分析サービス「メッカル」は、医療材料価格の最適化を支援するツールで78施設に導入している。   静岡県や神奈川県を地盤とする協和医科器械およびオズの首都圏および愛知県エリアへの営業強化策に加えて、M&Aを積極活用して営業エリアと規模の拡大戦略を推進している。10年7月に栗原医療器械店(群馬県太田市)、12年7月にネットワーク(東京都新宿区)、13年7月に秋田医科器械店(秋田県秋田市)、14年7月にジオット(福島県郡山市)を完全子会社化した。海外はインドにおける鴻池運輸 <9025> との医療データベース合弁会社CARNA MEDICAL DATABASEが稼働した。インドで医療物流プラットフォームを構築する戦略だ。   また8月20日に100%子会社ケアフォースの設立を発表した。医療・介護用移乗機器および電動ベッドなどの輸入・販売事業を展開する。設立は10月1日予定としている。   8月11日に発表した前期(14年6月期)の連結業績は売上高が前々期比8.9%増の1459億69百万円、営業利益が同17.8%増の16億円、経常利益が同18.7%増の20億41百万円、純利益が同8.1%増の9億68百万円だった。医療機器備品販売が好調に推移し、秋田医科器械店の新規連結も寄与した。利益面では大量購買による仕入価格低減、販売促進リベートの獲得なども寄与して計画を上回る増収増益だった。配当予想は配当性向25~30%を基本方針として同5円増配の年間80円(期末一括)とした。   セグメント別に見ると医療機器販売事業は売上高が同9.2%増の1424億61百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同14.1%増の48億78百万円だった。病院設備更新に伴って放射線機器や内視鏡等診断機器の備品販売が好調に推移した。消耗品は償還価格引き下げの影響があったが、新規取引先の獲得が進んだ。介護・福祉事業は売上高が同0.5%減の35億07百万円とやや低調で、営業利益は同11.2%減の3億41百万円だった。   今期(15年6月期)の連結業績見通しについては売上高が前期比6.6%増の1556億60百万円、営業利益が同12.5%減の14億円、経常利益が同11.8%減の18億円、純利益が同1.7%増の9億85百万円で、配当予想が前期と同額の年間80円(期末一括)としている。   売上面では営業強化やジオットの新規連結などで増収だが、営業強化に向けた人材増強の影響で営業減益見通しとしている。ただし期初時点では保守的な会社見通しを公表する傾向があり、首都圏および愛知県エリアでの営業強化、SPD(病院医療材料管理業務)やサージレーン事業の推進、大量購買による仕入価格低減、業務効率改善などの効果も寄与して上振れ余地があり、中期的にも収益拡大基調だろう。   株価の動きを見ると、6月24日の年初来高値3090円から6月期末の配当権利落ちも影響して反落し、その後は8月11日発表の今期営業減益見通しで水準を切り下げた。ただし2700円台では下げ渋り感を強めている。売りはほぼ一巡したようだ。   9月5日の終値2750円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS336円03銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間80円で算出)は2.9%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS2515円59銭で算出)は1.1倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んで調整局面だが、週足チャートで見ると52週移動平均線が下値を支える形だ。今期業績見通しに上振れ余地があり、売りが一巡して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
医療機器販売のメディアスホールディングス<3154>(JQS)の株価は、6月24日の年初来高値3090円から6月期末の配当権利落ちも影響して反落し、8月11日発表の今期(15年6月期)営業減益見通しで水準を切り下げた。ただし2700円台では下げ渋る動きだ。
economic
2014-09-08 07:30