今週の為替相場見通し(2014年9月8日-)=為替王
為替相場は一様に、円安または円高の流れが生じるケースが多いのですが、最近は、上昇する通貨と下落する通貨が、はっきり分かれています。上昇する通貨の筆頭が、豪ドル円。8月下旬に「1豪ドル=100円を目指す」と予想。今月に入ってからも豪ドル高は続き、連日、年初来高値を更新。「豪ドル100円の大胆予想」を掲げた当初はまだ96円に乗ってきたばかりでしたが、あれからわずか半月ほどで、あっという間に98.5円を超えるほど駆け上がってきました。今後の見通しについてですが、上昇ペースがかなり速いので、一時的な調整(反落)を挟む可能性はあるかと思いますが、今週以降も引き続き、「1豪ドル=100円を目指す」との見通しを維持します。
豪ドルと比べますと、最近出遅れていたNZドルも上昇期待が高まっています。短期チャート分析の観点で、いくつか上昇を示唆するシグナルが点灯。控えめにみて、7月に急落する前の水準の、およそ88円台後半~89円近く。もっと強気にみるならば、リーマン危機以降、初めてとなる90円の大台回復もあり得るのではないかと考えます。
さて、豪ドル、NZドルと来れば、同じ高金利通貨として期待したいのが南アフリカランド。昨年後半以降は、大規模なストライキ問題などを受けて経済がやや停滞し、南アフリカランド円も横ばいの推移が続いていました。チャート分析の観点では7月からずっと上向きの状態が続いており、現状、1ランド=10円の大台回復も視野に入っている状態(具体的なターゲットは10円台前半)と見ています。
上記の上昇傾向の通貨と対照的に、元気がなく下がっているのが、ユーロとポンド。それぞれ理由が異なり、ユーロは先週の利下げ(および今後、大規模な量的緩和を実施するのではないかとの思惑)などから下落が止まらず、ポンドについてはスコットランド独立問題が(以前は実現するはずがないと見られていたのが、現在、独立賛成派が急増しており)大きな火種になっています。目先の目処としましては、ポンド円は170円台後半。ユーロ円は133~132円台が節目になりやすいと見ています。
最後に、先週約6年ぶりの円安水準に達した米ドル円。目先は、105円台後半~106円あたりが目処になりやすいと考えます。現状、日米金利差がそれほど拡大しているわけではないことから、これ以上の一方的な円安は、すぐに反動も生じやすいのではないかと考えます。ただ、やや中期的な観点で、具体的には年末くらいに向けて、最大で111円~115円あたりを目指す円安のビッグウェーブが来ることも考えられるという見方は引き続き維持します。(執筆者:為替王)
為替相場は一様に、円安または円高の流れが生じるケースが多いのですが、最近は、上昇する通貨と下落する通貨が、はっきり分かれています。上昇する通貨の筆頭が、豪ドル円。
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2014-09-08 09:00