丸和運輸は反落も株式分割・記念増配の権利取りが底流し割安修正余地
丸和運輸機関 <9090> (東2)は、40円高安の3975円と反落してスタートしている。今年8月4日につけた上場来高値4400円を前に利益確定売りが先行している。ただ同社株は、今年9月30日を基準日に株式分割を実施予定のほか、今3月期配当に上場記念配当を上乗せすることから権利取りの買い物が下値に続いており、合わせて今期業績が連続の過去最高と予想されていることを手掛かりに割安修正期待も底流している。また今年7月23日以来、中断期間に入っていた新規株式公開(IPO)が、9月11日から約7週間ぶりに再開されることも、直近IPO株人気の再燃につながると思惑を高めている。
■最高業績が続き記念増配、株式分割と株主還元策にも積極姿勢
株式分割は、同社株式の投資単位当たりの金額を引き下げ、より投資しやすい環境を整え、株式の流動性の向上と投資家層のさらなる拡大を図ることを目的にしており、1株を2株に分割する。同社は、今3月期の配当も、第2四半期(中間配当)、期末配当とも今年4月8日のIPOを記念して各10円の記念配当を予定、年間配当を130円(前期実績100円、今期期末配当は株式分割権利落ち後で32.5円)に増配予定であり、これに続く積極的な株主還元策となる。
この背景となる同社の業績は、好調推移が予想されている。今3月期業績は、売り上げ533億2900万円(前期比3.6%増)、経常利益28億5800万円(同2.8%増)、純利益16億5000万円(同5.7%増)と見込み、純利益は、連続して過去最高を更新する。食品スーパー向けを中心として物流業務を一括受託するサード・パーティー・ロジステック(3PL)事業では、新規顧客向けの物流センターが相次いで開設・稼働しており、ネットスーパー事業でも、引き続き宅配配送の新規顧客を獲得する営業を強化、現場改善によるコスト改善と物流品質の向上を図っていることなどが寄与している。
今年8月19日発表の今期第1四半期(1Q)業績は、新物流拠点開設の先行投資や消費税増税に伴う駆け込み需要による配送集中、配送コストの増加、さらに四半期特有の税金費用増加などでやや伸び悩んだが、第2四半期累計・3月通期業績の連続過去最高更新予想に変更はない。
■PER8倍台、配当利回り3.2%で権利取り・値幅取り妙味を示唆
株価は、公開価格3400円に対して初値を3100円でつけたが、即、前期配当を100円と予想していたことを見直して3280円と引き戻し、その後の上場来安値2911円からは今期業績の連続過去最高更新・記念増配を手掛かりに底上げ、株式分割の歓迎高も加わって上場来高値4400円まで5割高した。足元は、この上昇幅の3分の1押し水準でのもみ合いとなっているが、PERは8倍台、配当利回りは3.27%と割安であり、権利取り妙味とともに最高値更新から上値にトライする値幅妙味も示唆している。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
丸和運輸機関<9090>(東2)は、40円高安の3975円と反落してスタートしている。今年8月4日につけた上場来高値4400円を前に利益確定売りが先行している。
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2014-09-08 10:00