アルコニックスは自律調整一巡して動意のタイミング、指標面の割安感も支援材料

  非鉄金属専門商社のアルコニックス <3036> の株価は、第1四半期(4月~6月)の業績発表で材料出尽くし売りが優勢となり、8月5日の高値1704円から8月8日の1450円まで調整した。ただしその後は概ね1500円台で推移して徐々に水準を切り上げている。今期(15年3月期)業績見通しに増額余地があり、自律調整が一巡して動意のタイミングだろう。指標面の割安感も支援材料だ。   軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィンなど)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う専門商社で、特にレアメタル・レアアースに強みを持っている。   積極的なM&A戦略で13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社、13年3月アルミスクラップ販売の大阪アルミセンター、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化し、14年4月には住宅建設関連資材の設計・製造・販売を手掛けるケイ・マックに追加出資して持分法適用関連会社とした。   今期(15年3月期)の連結業績見通しは前回予想(5月16日公表)を据え置いて売上高が前期比12.1%増の2060億円、営業利益が同3.3%増の36億円、経常利益が同16.7%増の42億円、純利益が同7.8%減の29億円としている。配当予想(7月4日に増額修正)は年間36円(第2四半期末18円、期末18円)で、14年8月1日付の株式2分割を考慮すると実質的に前期比3円50銭増配となる。   純利益は負ののれん発生益一巡で減益見通しだが、M&Aも寄与して自動車関連やスマホ関連を中心に輸出取引や海外取引が拡大基調である。営業外収益でのケイ・マックの持分法投資利益も寄与して増収、営業増益、経常増益見通しだ。   セグメント別売上高の計画は、軽金属・銅製品が輸出取引の好調に連結子会社群も寄与して同4.6%増の790億円、電子・機能材がレアメタル・レアアースの底打ちや米ユニバーティカル社の寄与などで同32.3%増の870億円、非鉄原料は輸入アルミ原料の低迷で同5.5%減の310億円、建設・産業資材は同6.8%減の90億円としている。レアメタル・レアアースについては軽希土類の需要が回復に転じており、重希土類も来期(16年3月期)には在庫調整が終息して回復に向かう見通しとしている。   第1四半期(4月~6月)は、自動車関連やスマホ関連の好調で前年同期比7.7%増収、円安に伴う輸入取引の利益減少で同16.9%営業減益、営業外収益でのケイ・マックの持分法投資利益計上で同58.1%経常増益、前期計上の負ののれん発生益の一巡で同5.3%最終減益だった。利益はややデコボコしたが、通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が23.5%、営業利益が26.7%、経常利益が40.8%、純利益が45.0%と高水準である。今期業績の会社見通しはやや保守的であり増額余地があるだろう。   14年5月に発表した新中期経営計画(15年3月期~17年3月期)では経営目標値として、17年3月期経常利益50億円超、純利益35億円超、ROE13~15%程度、NET/DER1.0~1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に150億円の計画としている。   重点戦略としては、電子材料分野では原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネスモデルの展開、環境対応関連分野では省エネ・環境対応素材からリサイクル事業まで国内外での積極展開、海外事業では地場取引や三国間ビジネスの拡大および海外ネットワークの充実、そして新規投融資の積極推進に取り組む方針としている。中期的に収益拡大基調だろう。   株価の動き(14年8月1日付で株式2分割)を見ると、第1四半期の業績発表で材料出尽くし売りが優勢となり、8月5日に付けた高値1704円から8月8日の1450円まで調整した。ただしその後は概ね1500円台で推移して徐々に水準を切り上げている。自律調整がほぼ一巡したようだ。   9月8日の終値1532円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS228円04銭で算出)は6~7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間36円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS1638円21銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線が接近している。今期(15年3月期)業績見通しに増額余地があり、自律調整が一巡して動意のタイミングだろう。指標面の割安感も支援材料だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
非鉄金属専門商社のアルコニックス<3036>(東1)の株価は、第1四半期(4月~6月)の業績発表で材料出尽くし売りが優勢となり、8月5日の高値1704円から8月8日の1450円まで調整した。
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2014-09-09 09:00