運輸業者の倒産動向調査=帝国データバンク

 運輸業倒産、高止まり続く  ~燃料価格、ドライバー不足などがコストアップ要因に~  はじめに  アベノミクスによる景況感回復の恩恵で荷動きの改善と運賃への転嫁が進み、一方では燃料価格の一段の上昇、ドライバー不足などのコストアップ要因によって、運輸業者の事業環境は先行きが見通しづらいものとなっている。  帝国データバンクでは、2007年1月~2014年8月に倒産した運輸業者(法的整理のみ、負債1000万円以上)について、件数・負債総額推移、負債規模別、倒産主因別、地域別に集計・分析した。前回調査は2014年1月。  ・今回の調査で対象としているのは、「トラック運送(道路貨物運送)」「運輸付帯サービス」「道路旅客運送」「海運(水運)」。「倉庫・鉄道・航空運輸」は除外している  調査結果  1.2014年1-8月の運輸業者の倒産件数は273件、前年同期比で1.8%の減少となった。負債総額は367億6800万円と、前年同期比38.3%減少した。もっとも、倒産件数は2008年以降、400件を上回って推移、高止まりが続いている。通年では、7年連続で400件台を超える可能性が高い  2.負債規模別では、「1000万-5000万円未満」が132件、全体の48.4%を占めた。次いで、「1億-5億円未満」も80件、構成比29.3%に達している  3.業態別では「トラック運送(道路貨物運送)」が195件ともっとも多く、全体の71.4%を占めてトップ。「運輸付帯サービス」が55件、構成比20.1%でこれに続く  4.倒産主因別では、「販売不振」が200件、構成比73.3%を占めている5.地域別では、「関東」が108件、全体の39.6%を占め、次いで「近畿」の64件、「中部」の27件となっている(情報提供:帝国データバンク)
アベノミクスによる景況感回復の恩恵で荷動きの改善と運賃への転嫁が進み、一方では燃料価格の一段の上昇、ドライバー不足などのコストアップ要因によって、運輸業者の事業環境は先行きが見通しづらいものとなっている。
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2014-09-09 09:45