【為替本日の注目点】買われすぎも強い上昇トレンド、106円割り込めば調整局面も
NY市場
ドル円はドル高の流れが加速し、さらに日米金利差が拡大したことを手がかりに続伸。一時106円47銭までドル高が進んだ後、株価の下落にドルが売られ106円15-20銭で引ける。
ユーロドルは利益確定のユーロ買いに反発。1.2880近辺から1.29台半ばまでユーロ買戻しが優勢となり、対円でも137円台半ばまで反発する。
株式市場は続落。早期利上げに対する警戒感が強まり、ダウは97ドル下げ、かろうじて1万7000ドル台をキープ。
債券相場は続落。3年債入札は好調だったものの、早期利上げ観測が根強く、長期金利は1ヶ月振りに2.51%まで上昇する場面も。
金は続落し、原油は3日振りに反発。
ドル/円 106.04~ 106.47
ユーロ/ドル 1.2874 ~ 1.2958
ユーロ/円 136.79 ~ 137.50
NYダウ -97.55 → 17,013.87ドル
GOLD -5.80 → 1,248.50ドル
WTI +0.09 → 92.75ドル
米10年国債 +0.03 → 2.501%
本日の注目イベント
日 岩田・日銀副総裁、金沢市で講演と記者会見
中 中国 世界経済フォーラム、夏季ダボス会議(天津)
連日「大台」を更新しているドル円は、NY市場で106円47銭まで上昇。その後は株価の下落などから利食いのドル売りも出た模様でしたが、106円台を割り込むことなく取引を終えています。一方ユーロは利益確定の買い戻しが優勢となり、1.29台半ばまで上昇し、円の弱さが目立った格好です。
前日のNY市場で一気に106円台まで上昇したドル円は、昨日の東京時間から今朝まで、結局一度も106円台を割り込んでいません。円が106円台まで円安が進んだ割には日経平均株価の動きは鈍く、為替と株の連動性がやや薄れています。円の下落が急速だったため、「ドルの押し目」を待っている投資家も多くいますが、なかなか買い場を与えてくれない展開が続いています。
昨日のNY市場のドル高値は106円47銭でしたが、これは最も長い時間足である「月足」の「200日線」が106円46銭にあるため、これにピタリと抑えられた格好になっています。「月足」のチャートを見る機会はそう多くありませんが、さらに言えば、現在の値位置は、1998年8月の147円64銭から引くことの出来る、「レジスタンスライン」に丁度重なっているところです。つまり、上記「200日線」を明確に上抜けすれば、この「レジスタンスライン」も抜けることになり、かなり長期にわたる円安傾向を示唆することになります。因みに、「遅行スパン」はこの「月足」でも「雲抜け」を完了しています。
ただそうは言っても、「日足」では「ストキャスティクス」など、買われすぎを示す数値が先週4日以来点灯しているのも事実です。現在「85」あたりを示していますが、一方で「ボリンジャー」ではバンドが広がっており、ローソク足もバンドに沿って上昇する、いわゆる「バンドウォーク」が見て取れます。短期的には買われ過ぎてはいるものの、かなり強い上昇トレンドが出ていると判断できそうです。
ドル円は明らかに米株価の動きよりも米長期金利の動きに左右されているようです。昨日もNYダウは低調でしたが、米長期金利が1ヶ月振りに2.51%台まで上昇したことで106円台半ばまでドル高が進んだと見られます。101-103円のレンジを上抜けした後、ドル円は上昇したものの、長期金利はむしろ低下傾向でした。いずれ、ドル円が下落に転じるか、あるいは長期金利が上昇に転じるか注目していましたが、どうやらドル円の動きに鞘寄せさせられた形になってきたようです。
ドル円は足許(30分足)では「雲」の中に入ってきました。このまま下落して105円80銭辺りを下回るようなら「雲を下抜け」することになり、短期的にはドル売りが強まることになるかもしれません。ただ、NYでは106円台を割り込んでいないため、今日の注目ポイントは106円台を割りこむことになるかどうかという点で、割り込めば「調整局面」も見られるかもしれません。本日の予想レンジは105円70銭~106円50銭程度考えます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円はドル高の流れが加速し、さらに日米金利差が拡大したことを手がかりに続伸。一時106円47銭までドル高が進んだ後、株価の下落にドルが売られ106円15-20銭で引ける。
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2014-09-10 09:15