「中所得国の罠」が中国に? 「改革実行せねば成長鈍化」と中国EU商会=仏通信社

中国EU商会はこのほど、中国政府が即座に改革を実施しない場合、中国の経済成長率が急激に鈍化する可能性があると警告した。中国メディアの環球網が10日付でAFP通信を引用し伝えた。
記事は、中国EU商会が発表した年度報告書で「中国が経済構造を調整し、リバランスを行うために残された時間は残りわずか」と指摘したことを紹介、習近平国家主席が率いる指導部が緊迫感と強い意志を持って改革を推進しない限り、中国は「中所得国の罠」に陥る可能性があると論じた。
「中所得の罠」とは世界銀行が提示したもので、ある国の経済において「1人当たり所得」が世界の“中レベル”に達した後に、新たな成長の原動力を見つけることができないと高所得水準に入ることができず、経済が長期にわたって低迷することを指す。
「中所得の罠」に陥った国々に共通した特徴には、産業高度化の停滞、貧富格差の拡大、環境の悪化、官僚の腐敗といった、それまで蓄積された成長制約要因が一気に顕在化し、成長率の低下とともに社会が不安定化することが挙げられる。ブラジルやアルゼンチンなどの中南米諸国が、その典型例だ。
記事は、中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議において示された改革法案について、中国EU商会は「中国政府がどれだけの誠意をもって改革が実行されるか疑問を持っており、中国市場で企業が不当な競争に直面していることを憂慮(ゆうりょ)している」と報じた。
さらに、中国EU商会の会長が「中国政府が改革を実行せず、市場の開放を行わなければ中国は中所得の罠に陥り、経済成長率は3%-5%程度にまで落ち込む」と述べたことを伝え、中国が外資企業を対象に反独占調査を実施したことを例に挙げたうえで、「中国政府に対して政策の透明性向上を訴えた」と伝えた。(編集担当:村山健二)(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
中国EU商会はこのほど、中国政府が即座に改革を実施しない場合、中国の経済成長率が急激に鈍化する可能性があると警告した。中国メディアの環球網が10日付でAFP通信を引用し伝えた。(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
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2014-09-10 15:30