日本エム・ディ・エムは急騰の8月高値から反落したが、目先的な過熱感が解消して切り返しのタイミング

  医療機器商社の日本エム・ディ・エム <7600> の株価は、急騰した6月25日457円から反落して概ね340円~360円近辺でモミ合う展開だったが、8月下旬に動意付いて8月28日の548円まで急騰した。その後は9月10日の402円まで調整したが、収益改善基調を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感が解消して切り返しのタイミングだろう。   人工関節製品、脊椎固定器具、骨接合材料など整形外科分野を主力とする医療機器商社である。ジョンソン・エンド・ジョンソンとの販売契約が13年3月期に終了したが、米国子会社オーソデベロップメント(ODEV)社製品の拡販、自社製品比率上昇による原価率改善効果で収益改善基調を鮮明にしている。米ODEV社製の人工膝関節製品は中国でも薬事承認を取得している。高齢化社会到来を背景として中期的に収益拡大が期待される。   自社製新製品の動向としては、米国で14年1月から米ODEV社製の人工膝関節製品「BKS-Momentum」と「E-Vitalize」を販売開始した。日本では14年5月から人工膝関節製品「BKSオフセットティビアルトレイ」を販売開始した。14年6月には米ODEV社製の人工股関節大腿骨ステム「OVATION Tributeヒップシステム」とステムヘッド「ODEV BIOLOX deltaセラミックヘッド」の薬事承認を取得した。14年9月から販売開始する。米ODEV社は人口膝関節製品「KASM」の米国食品医薬品局(FDA)薬事承認を取得して販売開始した。   今期(15年3月期)の連結業績見通し(4月30日公表)は売上高が前期比11.0%増の105億円、営業利益が同39.1%増の9億20百万円、経常利益が同47.1%増の7億円、純利益が同39.5%増の4億円、配当予想が前期と同額の年間5円(期末一括)としている。第2四半期累計(4月~9月)見通しについては7月30日に増額修正したが、通期見通しについては前回予想を据え置いている。   米ODEV社製の人工股間接製品「オベーションヒップシステム」、米ODEV社製の脊椎固定器具「Pogadaスパイナルシステム」、当社と米ODEV社が共同開発した骨接合材料製品「MODE」、前期から販売開始した「MDMプリマヒップスクリューシステム」などの販売が好調に推移する。今期投入の新製品も寄与して国内の償還価格引き下げの影響を吸収する。自社製品比率上昇による売上原価率改善効果も寄与して大幅増益見通しだ。自社製品比率の計画は前期比6.5ポイント上昇の80.9%で、想定為替レートは1米ドル=102円としている。   第1四半期(4月~6月)は、米ODEV社製の人工関節製品などが好調に推移して前年同期比28.5%増収となり、自社製品比率上昇による売上原価率改善効果も寄与して営業利益、経常利益、純利益とも黒字化した。通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が25.1%、営業利益が26.0%、経常利益が28.3%、純利益が27.8%と順調な水準である。通期見通しを据え置いているが、売上原価率が改善基調であり、通期見通しにも増額余地があるだろう。   株価の動きを見ると、急騰した6月25日457円から反落し、7月~8月中旬は概ね340円~360円近辺でモミ合う展開だったが、8月下旬に動意付いて8月28日の548円まで急騰した。その後は利益確定売りで反落し、9月10日の402円まで調整したが、目先的な過熱感は解消した。   9月10日の終値413円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS15円12銭で算出)は27~28倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.2%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS417円65銭で算出)は1.0倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。また日足チャートで見ると25日移動平均線が接近した。収益改善基調を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感が解消して切り返しのタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
医療機器商社の日本エム・ディ・エム<7600>(東1)の株価は、急騰した6月25日457円から反落して概ね340円~360円近辺でモミ合う展開だったが、8月下旬に動意付いて8月28日の548円まで急騰した。
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2014-09-11 09:15