JSPは強基調に回帰して6月高値を試す、今期増収増益見通しを再評価
発泡プラスチック製品のJSP <7942> の株価は、6月の高値1920円から反落し、第1四半期(4月~6月)の営業減益も嫌気する形で8月7日の1698円まで調整したが、その後は切り返しの展開となり足元では1800円台まで戻している。今期(15年3月期)通期ベースでの増収増益見通しを再評価し、強基調に回帰して6月高値を試す展開だろう。
押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を強化するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。
14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。また14年10月には中国で重慶工場の稼働を予定している。
今期(15年3月期)の連結業績見通しは前回予想(4月30日公表)を据え置いて売上高が前期比4.3%増の1170億円、営業利益が同20.2%増の71億円、経常利益が同10.6%増の72億円、純利益が同11.3%増の49億円、配当予想が前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。
国内では衝撃緩衝材を中心とした自動車部品、タブレット型端末など多機能電子機器の包装材、高断熱材を中心に需要が好調に推移する。特に自動車関連の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の好調が牽引し、一部製品の価格是正効果なども寄与する見込みだ。想定為替レートは1米ドル=100円、1ユーロ=130円としている。
主要セグメントの計画を見ると、押出事業は住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」の需要拡大などで売上高が同1.7%増の402億95百万円、営業利益が同5.9%増の20億39百万円、ビーズ事業は自動車関連を中心とする発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の好調、発泡ポリプロピレン「スチロダイア」の建築土木関連への拡販などで、売上高が同2.8%増の689億34百万円、営業利益が同26.0%増の57億28百万円としている。
第1四半期(4月~6月)は、自動車関連を中心に発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の好調が牽引して前年同期比8.9%増収だったが、原燃料価格や電力料金の上昇に対して製品価格是正がやや遅れて同12.1%営業減益、同18.2%経常減益、同18.6%最終減益だった。ただし通期ベースでは製品価格是正も寄与して好業績が期待される。
株価の動きを見ると、6月高値1920円から利益確定売りで反落し、第1四半期の営業減益も嫌気する形で8月7日の1698円まで調整したが、その後は切り返しの展開となり足元では1800円台まで戻している。第1四半期の営業減益を嫌気した売りが一巡し、通期の増収増益見通しを再評価する動きだろう。
9月10日の終値1834円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS164円35銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1940円48銭で算出)は0.9倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなった。強基調に回帰した形であり、6月高値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
発泡プラスチック製品のJSP<7942>(東1)の株価は、6月の高値1920円から反落し、第1四半期(4月~6月)の営業減益も嫌気する形で8月7日の1698円まで調整したが・・・。
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2014-09-11 09:15