リンテックは13年10月高値を突破して上値追い
粘着製品大手のリンテック <7966> の株価は、13年10月の2157円を突破して高値更新の展開が続いている。9月9日には2345円まで上伸して11年2月の2464円が視野に入った。強基調の形であり、今期(15年3月期)好業績見通しを評価する流れに変化はなく、上値追いの展開だろう。
高度な粘着応用技術と表面改質技術(粘着剤や表面コート剤の開発・配合・塗工技術)に強みを持ち、印刷材・産業工材関連(シール・ラベル用粘着フィルム、ウインドーフィルム、太陽電池用バックシート、自動車用・工業用特殊粘着製品など)、電子・光学関連(半導体製造用粘着テープ、タッチパネル用シート材、液晶用偏光・位相差フィルム粘着加工など)、洋紙・加工材関連(カラー封筒用紙、粘着製品用剥離紙・剥離フィルム、炭素繊維複合材料用工程紙など)の分野に幅広く事業展開している。
14年3月に発表した新中期経営計画「LIP-2016」では、重点テーマをグローバル展開のさらなる推進、次世代を担う革新的新製品の創出、強靭な企業体質への変革、戦略的M&Aの推進、人財の育成とした。目標数値として17年3月期売上高2400億円、営業利益200億円、経常利益200億円、純利益130億円、売上高営業利益率8%以上、ROE8%以上を掲げ、セグメント別には印刷材・産業工材関連が売上高1025億円、営業利益57億円、電子・光学関連が売上高943億円、営業利益88億円、洋紙・加工材関連が売上高432億円、営業利益55億円としている。
次世代を担う革新的新製品の創出では、米テキサス大学ダラス校と共同開発してきたカーボンナノチューブ(CNT)を薄いシート状に加工する新技術の16年度中の実用化に向けて、米国テキサス州に研究開発拠点NSTCを設立した。従来手法に比べて100分の1から1万分の1という極めて薄いCNTシートを生成することが可能な技術であり、電気自動車用蓄電装置の電極材料への活用などを想定している。
今期(15年3月期)連結業績見通しは前回予想(5月8日公表)を据え置いて売上高が前期比3.3%増の2100億円、営業利益が同16.2%増の160億円、経常利益が同17.7%増の155億円、純利益が同23.5%増の105億円、配当予想が同2円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。自動車関連やスマホ関連の好調が牽引し、利益面ではプロダクトミックス改善やコスト削減なども寄与する。なお想定為替レートは1米ドル=98円としている。
セグメント別の計画を見ると、印刷材・産業工材関連は売上高が同5.6%増の911億円、営業利益が同70.3%増の39億円で、自動車関連粘着製品の好調が牽引する。電子・光学関連は売上高が同0.5%増の795億円、営業利益が同5.2%増の72億円で、半導体関連や積層セラミックコンデンサー関連が好調だ。洋紙・加工材関連は売上高が同4.1%増の394億円、営業利益が同5.5%増の49億円で、航空機向け炭素繊維複合材料用工程紙が好調に推移する。
第1四半期(4月~6月)は自動車用粘着製品や液晶ディスプレイ関連粘着製品などが好調に推移して前年同期比5.2%増収、同32.4%営業増益、同16.6%経常増益、同17.7%最終増益となり、通期見通しに対する進捗率は売上高が23.5%、営業利益が24.9%、経常利益が25.9%、純利益が26.6%と順調な水準である。自動車関連やスマホ関連が好調が牽引して通期上振れの可能性があるだろう。
株価の動きを見ると、13年10月の2157円を突破して高値更新の展開が続いている。9月9日には2345円まで上伸して11年2月の2464円が視野に入った。今期好業績見通しを評価する流れに変化はないようだ。
9月10日の終値2344円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS145円57銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は1.9%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS2100円87銭で算出)は1.1倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。好業績見通しを評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。11年2月の2464円が当面のターゲットだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
粘着製品大手のリンテック<7966>(東1)の株価は、13年10月の2157円を突破して高値更新の展開が続いている。9月9日には2345円まで上伸して11年2月の2464円が視野に入った。
economic
2014-09-11 09:15