【為替本日の注目点】円全面安でドル買い優勢早期利上げを先取り、ユーロ円反発
NY市場
ドル円は引き続き底堅い動きを続け、一時106円89銭まで上昇。利上げ観測が依然強く、米長期債も売りもの優勢となり、日米金利差の拡大を背景にドル買いが優勢に。
ユーロドルは1.29台半ばを天井に徐々に下落。それでもユーロ円の買い戻しも旺盛なため、ユーロドルの下落は緩やか。ユーロ円は1週間振りに138円台まで反発。
株式市場は3日振りに反発。アップルなどのハイテク株に買いが集まり、ダウは54ドル高。
債券相場は続落。10年債入札は好調だったものの、利上げ観測懸念が重石となり価格は下落。長期金利は2.54%台まで続伸。
ドル高が進んでいることから金は続落。原油も在庫が予想されたほど減少していなかったことで大幅安。
ドル/円 106.57~ 106.89
ユーロ/ドル 1.2883 ~ 1.2934
ユーロ/円 137.67 ~ 138.04
NYダウ +54.84 → 17,068.71ドル
GOLD -3.20 → 1,245.30ドル
WTI -1.08 → 91.67ドル
米10年国債 +0.042 → 2.543%
本日の注目イベント
豪 豪8月雇用統計
中 中国 8月消費者物価指数
中 中国 8月生産者物価指数
独 独8月消費者物価指数(改定値)
欧 ECB月例報告
米 新規失業保険申請件数
米 8月財政収支
米長期金利は上昇したものの、重要な経済指標の発表もない中、ドルは堅調に推移しており、その中でも円の弱さが目立つ展開です。ドル円は106円89銭まで上昇し、107円台も手の届く水準になってきました。昨日はドル高が進んだことで、主要通貨に対してドルが買われただけではなく、金や原油などの商品もその影響を受け下落しています。
金は1245ドルで取引を終えており、こちらは約3ヶ月振りの安値を付けており、原油価格は1年4ヶ月振りに91ドル台半ばまで下落しています。資金がドルに向かっており、改めて通貨としてのドルの存在感が増している状況です。原油価格の下落は、これからドライブシーズンに入る米国にとってガソリン価格の低下につながり、個人消費が伸びることにもつながりそうです。
昨日のこの欄では105円80銭辺りを下回れば「調整」が入るかもしれないと書きました。ドル円が前日のNY市場で106円47銭まで上昇した後、106円台前半まで下落したことで短期の「30分足」ではローソク足が「雲」の中まで落ちており、「雲の下限」である105円80銭を下回ればその可能性がありました。
実際ドル円はしばらく106円20銭辺りで何度も「雲の上限」で跳ね返され、上値の重さも感じさせましたが、結局106円を割り込まず、106円25銭で「雲の上限」を抜けてからはご存知の通りの展開でした。ドル高が進んだことで、それまで前日比マイナス50~100円程度で推移していた日経平均株価も大引けは39円高で取引を終えており、ドル円が株価を押し上げた格好でした。
さてドル円は連日ドル高が続いており、107円も見えて来ました。ドル円の上昇スピードが早すぎるとの認識は当然ですが、それでもほとんど「調整らしい調整」は見られません。このような展開があるとすれば、来週のFOMCで、早期利上げを示唆する何らかのメッセージがあった後ではないかと予想していましたが、その動きを先取りした形になっています。
こうなると、FOMCの声明文で失望のドル売りとなり「調整」を迎えるのか、あるいはさらにドルが続伸するのか、17日の結果が非常に重要になってきます。ある意味、ここから年末の相場を決定することになる可能性もあります。ただ、最近の動きは早期利上げ観測に大きく傾いていることから、仮に利上げの前倒しを示唆する内容になったとしても、そこからのドルの一段高には慎重になる必要があると思います。場合によっては「絶好の利食いの場」になるかもしれません。
本日は107円台に乗せるかどうかが市場参加者の関心を集めそうです。スピード調整はいつ起きてもおかしくはありませんが、今日の日経平均株価は堅調に推移しそうです。東京タイムの11時から12時半と、いつものように海外市場が参入した際の動きには注意が必要です。レンジは106円50銭~107円40銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は引き続き底堅い動きを続け、一時106円89銭まで上昇。利上げ観測が依然強く、米長期債も売りもの優勢となり、日米金利差の拡大を背景にドル買いが優勢に。
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2014-09-11 09:30