大和小田急建設は高値から急反落したが目先的な過熱感が解消、再動意のタイミング
中堅ゼネコンの大和小田急建設 <1834> の株価は、建設セクター全般が人気化する流れにも乗って9月3日の960円まで上伸した。その後は利益確定売りで急反落し、9月11日には717円まで調整したが、目先的な過熱感がほぼ解消した。今期(15年3月期)営業増益見通しや中期的に良好な事業環境を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感が解消して再動意のタイミングだろう。
大和ハウス工業 <1925> と小田急電鉄 <9007> が主要株主の中堅ゼネコンで、マンション建築、宅地開発、鉄道関連工事などを主力としている。公共インフラ補修・更新、マンション・鉄道関連耐震化、都市再開発、20年東京夏季五輪関連、リニア中央新幹線関連などで中期的に事業環境は良好だ。
なお8月26日に、大和ハウス工業と共同で新しい耐震補強技術「大和式圧縮ブレース耐震補強工法」を開発したと発表している。従来工法に比べて既存躯体との接合部の簡素化を図ったもので、施工時間の短縮やコスト削減に?がるとしている。また9月5日には、国際規格である品質マネジメントシステム「ISO9001:2008」および環境マネジメントシステム「ISO14001:2004」について、認証継続が承認されたと発表している。
今期(15年3月期)の業績(非連結)見通し(5月8日公表)は、売上高が前期比17.5%増の700億円、営業利益が同15.0%増の17億円、経常利益が同9.1%減の16億円、純利益が同20.6%減の9億円、配当予想が前期と同額の年間7円(期末一括)としている。受取配当金の一巡などで経常利益と純利益は減益だが、増収効果や採算重視の選別受注の効果で労務費や資材費の上昇を吸収して営業増益見通しだ。
第1四半期(4月~6月)は前年同期比34.0%増収で、営業利益、経常利益、純利益とも黒字化した。第2四半期(7月~9月)に予定していた販売用不動産の前倒し売却が収益を押し上げ、貸倒引当金の戻し入れも寄与した。前期末の手持ち工事高が前々期末比44.3%増の419億16百万円と高水準であり、第1四半期の受注高も前年同期比8.4%増の126億26百万円と好調だった。
選別受注の徹底や原価低減効果による完成工事(建築事業と土木事業)総利益率の上昇、ターゲットを絞った提案型営業の強化、優位性のあるエリアでの営業展開、さらに経費削減などの効果も期待される。今期の会社見通しには上振れ余地があるだろう。中期的にも事業環境は良好だ。
株価の動き(4月1日付で単元株式数を500株から100株に変更)を見ると、7月下旬~8月上旬の500円近辺での短期モミ合いから上放れて上げ足を速める展開となった。建設セクター全般が人気化する流れにも乗って9月3日の960円まで急伸した。その後は利益確定売りで急反落し、9月11日には717円まで調整したが、目先的な過熱感がほぼ解消した。
9月11日の終値727円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS41円46銭で算出)は17~18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS585円08銭で算出)は1.2倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線が接近している。当面は乱高下の可能性だが、今期の営業増益見通しや中期的に良好な事業環境を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感が解消して再動意のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
中堅ゼネコンの大和小田急建設<1834>(東1)の株価は、建設セクター全般が人気化する流れにも乗って9月3日の960円まで上伸した。
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2014-09-12 07:30