ストリームは高値更新の展開、収益改善基調を評価して07年2月高値750円目指す

  家電やパソコンなどのネット通販サイトを運営するストリーム <3071> (東マ)の株価は高値更新の展開が続いている。8月28日には527円まで上伸した。その後9月4日427円まで一旦反落したが、9月11日は502円まで戻して再動意の構えを見せている。東証が信用取引に関する臨時措置を解除したことも好感されたようだ。収益改善基調を評価して07年4月以来の600円台、そして07年2月高値750円を目指す展開だろう。   家電製品、パソコン、デジタルカメラなどを販売するネット通販サイト「ECカレント」「イーベスト」「特価COM」の運営を主力としている。資本・業務提携先のベスト電器 <8175> からの仕入が正常化し、市場価格に迅速に対応できるシステム構築、仕入先とのデータ連携強化による取扱アイテム数の増加、販売効率の向上、販売価格の適正化と粗利益の確保、販管費圧縮などの施策を強化して収益は改善基調である。   中期成長に向けてネット通販に関する豊富なノウハウを活用し、他社のネット通販を支援するネット通販支援事業(ECサイト運営業務代行サービス)を強化している。14年1月に子会社の中国・上海ストリームの出資持分全部を譲渡して経営資源を国内ネット通販事業に集中する方針を打ち出し、14年2月には扶桑化学工業 <4368> から化粧品・健康食品の無店舗販売を展開するエックスワンの株式80%を取得して連結子会社化した。   14年6月には、中国のネットサービス企業集団5173.Comと、ソーシャルゲームおよびeコマースに関して業務提携した。そして8月20日には中国ネットゲーム事業の第1弾として、スマートフォン専用ゲーム「三国志戦姫」についてDMM.comラボとゲームソフトウェアライセンス契約を締結し、5173.Comを通じて中国向けに「三国志戦姫」を独占配信すると発表した。   また9月3日にはラオックス <8202> と提携し、子会社化したエックスワンの取扱商品をラオックスの店舗で販売すると発表した。国内免税品販売におけるリーディングカンパニーであるラオックスとの提携で、エックスワンのコスメティック関連商品のラインナップや外国人向けマーケティングを強化する方針だ。   9月8日に発表した今期(15年1月期)第2四半期累計(2月~7月)連結業績(9月3日に売上高と純利益を増額、営業利益と経常利益を減額)は、売上高が前年同期比47.8%増の107億86百万円で、営業利益は10百万円(前年同期は1億64百万円の赤字)、経常利益は26百万円(同1億61百万円の赤字)、そして純利益は1億04百万円(同1億40百万円の赤字)だった。   ネット通販事業における価格競争の影響や、その他事業のエックスワンの営業費用の増加などで営業利益と経常利益は期初計画をやや下回った。ただし、ネット通販事業における市場価格への迅速な対応や取扱アイテム数の増加などで、家電や周辺機器・デジタルカメラなど主要商品群の販売が大幅に増加し、増収効果で黒字化した。売上総利益率は17.3%となり同5.5ポイント改善した。純利益はエックスワンを子会社化したことに伴う負ののれん発生益も寄与して期初計画を上回った。   通期の連結業績見通しは前回予想(3月12日公表)を据え置いて売上高が前期比23.7%増の206億46百万円、営業利益が3億79百万円(前期は1億63百万円の赤字)、経常利益が3億72百万円(同1億19百万円の赤字)、純利益が2億86百万円(同84百万円の赤字)の黒字化としている。   ネット通販事業では販売促進策の強化に加えて、薄型テレビの大型画面化や4K対応テレビへの関心の高まりに伴う単価上昇なども寄与する。その他事業のエックスワンでは、第3四半期(8月~10月)に会員からの年間更新料収入が発生することも寄与する。通期見通しに対する第2四半期累計の利益進捗率は低水準だったが、通期ベースでは消費増税の影響も一巡し、増収効果や売上総利益率改善で好業績が期待される。収益は改善基調だろう。   なお14年8月1日付の株式5分割に伴って7月11日に株主優待制度の一部変更を発表している。決算期末(1月31日)現在100株以上~2500株未満所有株主に対して優待割引券1枚(1000円相当)、2500株以上~5000株未満所有株主に対して優待割引券3枚(3000円相当)、5000株以上所有株主に対して優待割引券5枚(5000円相当)を贈呈する。   株価の動き(14年2月1日付で株式100分割、14年8月1日付で株式5分割)を見ると、上げ足を速めて高値更新の展開が続いている。8月28日には527円まで上伸した。07年4月以来の高値水準だ。中国向け「三国志戦姫」独占配信も好感したようだ。その後は9月4日の427円まで一旦反落したが、9月11日には502円まで戻す場面があり、再動意の構えを見せている。東証が信用取引に関する臨時措置を解除したことも好感されたようだ。   9月11日の終値498円を指標面(14年8月1日付の株式5分割後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS12円19銭で算出)は41倍近辺、実績PBR(前期実績に株式5分割を考慮した連結BPS32円45銭で算出)は15倍近辺である。週足チャートで見ると過熱感もあるが、日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインとなって強基調だ。収益改善基調を評価して07年4月以来の600円台、そして07年2月高値750円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
家電やパソコンなどのネット通販サイトを運営するストリーム<3071>(東マ)の株価は高値更新の展開が続いている。8月28日には527円まで上伸した。
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2014-09-12 09:00