LINEを利用した来店誘致、「LINE@」の利用店が9万件を突破

 LINEが提供する法人向けサービス「LINE@」の導入が進んでいる。2012年12月にサービスを開始し、2014年8月までに9万件以上の店舗への導入が進んだ。特に「LINE」のプッシュ通知の特徴を活かした優待クーポンの配信は、「お客さまに来店のきっかけとして有効活用が進んでいる」という。LINEは2014年9月10日、LINE@未導入企業向けに「LINE@ビジネスセミナー」を開催し、メディアにもその内容を公開した。そこでは、コミュニケーションツールとして日常生活にすっかり定着した「LINE」が、小売りや飲食店等の店舗で、来店誘致や売上拡大を実現している多数の事例が紹介された。  「LINE」の日本国内での利用は2014年7月の外部機関の調査で5200万人以上、全人口の40%に相当し、スマートフォンユーザー約5700万人の90%が利用している計算になる。その中で、毎日「LINE」を使っているユーザーは約3400万人に達する。スマートフォンを使ったコミュニケーションツールとして、すっかり定着した感がある。  また、同じく外部機関による調査によると、「LINE」の利用者は男女比で女性の利用がやや多いものの、利用者の年齢層は10代から50代まで幅広い年代層でほぼ等分に利用されている。職業も会社員から主婦、学生へと特に偏りがない。  このように広く日常的に使われているツールの機能を利用して、「個人とお店」、また、「個人と企業」をつなぐ役割を担っているのが「LINE@」のサービスだ。利用方法は、通常の「LINE」と同等で、「お店」や「企業」に対して利用者が「友だち登録」をすることによって。「お店」などからのメッセージが届くようになる。  「LINE@」で配信できるメッセージは、テキスト、スタンプ、画像、チラシ、写真など。また、割引クーポン券などの一斉配信も可能で、簡単な「お客さまアンケート」を取ることもできるようになっている。利用可能な店舗は、日本国内にリアルな実店舗がある事業者。「お店」などでは、基本的に「LINE@」は無料で利用することができる。メッセージの配信頻度を多くしたい場合などに、月額5000円からの有料プランに移行する。  「LINE@」を提供するLINE Business Partnersの平井洋志氏は、「LINE@の強みは、新規顧客をリピーターに変える力があること」と語る。一般に、店舗でのサービスを初めて利用した顧客が、その店に再び訪れた比率を調べた「新規再来店率」は20%-30%と言われている。「70%-80%の方々が一度訪れたお店に、再来店しないという結果になるのですが、実際に再来店しない理由を調べると、『特に理由はない』という回答が多く、きっかけがあれば再来店される可能性が高い」と力説している。「その来店のきっかけづくりとして、LINEの活用は有効」としている。  たとえば、「LINE@」を使ったメッセージ送信として、関西の居酒屋店が、「友だち登録でドリンク無料クーポンを用意し、ファーストドリンクの注文時に声掛けを積極的に行うことで、友だち数が2700人を超えるほどになった」という事例がある。その居酒屋では、クリスマス時のイベントを「LINE@」で告知したところ、当日120人の来店客のうち、その60%にあたる70人が「LINE@」を見て来店したという。  また、東京のネイルサロンが「LINE@」を使って正月に10%オフの年賀クーポンを配信したところ、当時の友だち登録350人のうち20%にあたる75人がクーポンを利用したという。  平井氏は、「LINE@を使って配信するメッセージの内容は、“(自分たちが)伝えたい”、かつ、“(お客さまに)喜ばれる”内容であれば、何でも良い」として、利用を呼び掛けている。「優待のクーポン券の配信は、確かにお客さまから喜ばれる取り組みですが、ある焼き肉店では、その日に仕入れた食材の情報をLINE@で配信することでクーポンなどを一切使わなくても、来店誘致に成功しているという事例もあります」と工夫次第で、効果を高める方法があると説いている。  LINE Business Partnersでは、今回のようなセミナーを全国各地で実施している他、「LINE@」の利用方法や運用事例を紹介する勉強会「LINE@カレッジ」も運営している。日常のコミュニケーションツールから、ビジネスユースでの利用が広がり始めた「LINE」。平井氏は、「スマホが初めてという担当者の方が、スマホを初めて手にした翌月にLINE@を開始して順調に友だち登録を獲得している事例もあります。無料でスタートできますので、まずは試しに使ってみてください」と呼びかけていた。(編集担当:徳永浩)
LINEが提供する法人向けサービス「LINE@」の導入が進んでいる。2012年12月にサービスを開始し、2014年8月までに9万件以上の店舗への導入が進んだ。特に「LINE」のプッシュ通知の特徴を活かした優待クーポンの配信は、「お客さまに来店のきっかけとして有効活用が進んでいる」という。
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2014-09-12 10:30