京写は8月末に動意付いて13年5月高値を一気に突破

  プリント配線板大手の京写 <6837> (JQS)の株価は8月末に動意付き、9月1日には465円まで急伸して13年5月高値415円を一気に突破した。その後は目先的な過熱感を強めて上げ一服の形だが、今期(15年3月期)業績見通し再増額の可能性を評価して上値追いの展開だろう。今期予想連結PERの割安感も支援材料だ。   生産量世界トップの片面プリント配線板、および両面プリント配線板を収益柱として、実装関連事業も展開している。前期(14年3月期)の製品用途別売上構成比は家電製品が32%、自動車関連が27%、事務器が15%、映像関連が8%、アミューズメントが7%、その他が11%である。LED照明関連の需要拡大も背景として、製品サイクルの長い自動車関連や家電関連に注力し、幅広い用途と顧客を獲得している。   中期経営計画では、目標数値として16年3月期売上高200億円(片面プリント配線板100億円、両面プリント配線板85億円、実装関連事業15億円)、営業利益率6%、ROE(自己資本利益率)15%以上、ROA(総資産利益率)6%以上を掲げている。   重点戦略としては、LED照明関連など環境対応製品の強化、片面プリント配線板分野における圧倒的トップシェアの獲得、海外生産の拡大、技術革新やコスト対応による収益力向上、基板・実装関連に次ぐ第3の事業の確立に取り組んでいる。照明関連での直管型LEDの増加に加えて、自動車関連でヘッドライトのLED化が進展することも追い風となりそうだ。   7月31日に今期(15年3月期)第2四半期累計(4月~9月)および通期の連結業績見通しを増額修正した。   通期の連結業績見通しについては、売上高は前回予想(4月30日公表)を据え置いて前期比5.4%増の170億円だが、営業利益は30百万円増額して同12.7%増の9億円、経常利益は40百万円増額して同11.8%増の8億80百万円、純利益は30百万円増額して同25.1%増の6億50百万円とした。配当予想は前回予想を据え置いて、前期と同額の年間5円(期末一括)としている。   主力の片面プリント配線板の需要は、国内外のLED照明関連や海外の自動車関連向けを中心として好調に推移している。国内LED照明関連の需要が両面プリント配線板から、当社が高シェアを持つ片面プリント配線板へシフトしていることもプラス要因となるようだ。利益面では生産自動化進展や、集中購買による原材料調達コスト低減などの効果も寄与する。想定為替レートは1米ドル=100円としている。   第1四半期(4月~6月)は自動車関連や家電関連が好調に推移し、原材料調達コスト低減効果なども寄与して前年同期比10.6%増収、同2.2倍営業増益、同63.7%経常増益、同61.9%最終増益となり、修正後の通期見通しに対する進捗率は売上高が24.5%、営業利益が28.1%、経常利益が28.2%、純利益が29.4%と高水準だった。   消費増税後の影響は見られず、足元の受注は過去最高水準のもようだ。クリスマス商戦に向けて映像関連などの第2四半期(7月~9月)および第3四半期(10月~12月)の生産が増加する季節要因なども考慮すると、修正後の通期業績の会社見通しは依然として保守的であり、再増額が濃厚だろう。   株価の動きを見ると、7月31日発表の今期業績見通し増額修正を好感して300円近辺のモミ合いから上放れた。さらに8月末に動意付き、9月1日には465円まで急伸して13年5月高値415円を一気に突破した。その後は目先的な過熱感を強めて上げ一服の形だが、今期好業績見通しを評価する流れに変化はないだろう。   9月12日の終値435円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS45円35銭で算出)は9~10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.2%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS338円63銭で算出)は1.3倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が14~15%で目先的な過熱感を残しているが、今期予想連結PERには依然として割安感があり、今期業績見通し再増額の可能性を評価して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
プリント配線板大手の京写<6837>(JQS)の株価は8月末に動意付き、9月1日には465円まで急伸して13年5月高値415円を一気に突破した。
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2014-09-16 07:30