【為替本日の注目点】FOMCでドル円乱高下も、イエレン「相当な期間」文言次第

 NY市場  ドル円は鉱工業生産指数が予想を下回ったことでドルが売られる場面もあったが、107円前後で下げ止まる。その後はFOMCを控え、107円台前半で小動き。  ユーロドルは反落、前日1.29台後半までユーロ買戻しが進んだが、この日はユーロ売りが再開し1.29台前半までユーロ安が進む。  株式市場はまちまち。インターネット株や小型株が売られ、ナスダックとS&P500は下落したものの、ダウは43ドル上昇し、1万7000ドル台を回復。  債券相場は8日振りに反発。鉱工業生産が7ヶ月振りにマイナスになったことで、買いが入った。長期金利は2.59%まで低下。   金、原油はともに反発。   8月鉱工業生産        → -0.1%   9月NY連銀製造業景況指数  → 27.54      ドル/円 107.01~ 107.30  ユーロ/ドル 1.2909 ~ 1.2951  ユーロ/円 138.45 ~ 138.83  NYダウ +43.63 → 17,031.14ドル  GOLD +3.60   → 1,235.10ドル  WTI + 0.65     → 92.92ドル  米10年国債 -0.020 → 2.590%  本日の注目イベント  日   黒田・日銀総裁講演と記者会見(大阪市)   独   独9月ZEW景況感指数    英   英8月消費者物価指数    英   英8月生産者物価指数   米   8月生産者物価指数     ドル円は107円を割る場面はあったものの、先週木曜日以来概ね107円台前半で推移し、底堅い動きになっています。昨日のNY市場でも、8月の鉱工業生産が7ヶ月振りに「マイナス」となり、ドルが売られたものの下落は107円前後に留まっています。買戻しが優勢となったユーロも、再び1.29台前半まで下げるなど、ドル高の流れは続いています。  ドル円は先週末一時107円39銭まで買われ、このままでは108円台もあり得る雰囲気でしたが、先週末のNYと、東京が休場の昨日までではこの水準を上回ってはいません。さすがに上値が重くなり、上昇スピードに変化が見られるようになってはいますが、それでも足許の動きは利益確定のドル売りが優勢となる状況ではありません。ただ、今週はさすがに大きな値動きが予想され、場合によっては積みあがっている円売りを買い戻してくる可能性もありそうです。  本日からFOMCが開催され、明日の未明には声明文とイエレン議長の記者会見が予定されているからです。量的緩和は来月のFOMCで終了することが見込まれていますが、問題はその後どの程度で利上げに踏み切るのか、そのタイミングが今後の為替相場に大きく影響を与えると考えられるからです。注目されるのは、これまで声明文でも、あるいはイエレン議長の口からも発せられてきた「相当な期間」という文言の存在です。  この文言が取り外されるのか、あるいはもう少し具体的になるのか、またはそのまま残されるのかによって市場は大きく反応しそうです。声明文を見ないことには解りませんが、個人的には利上げが早まるとの観測が強まってきたことでドル高が大幅に進んだことから、仮に早期利上げにつながる文言であって、ドルがさらに上昇したとしても「利益確定」のドル売りの場となり、一段のドル高にはつながりにくいのではないかと予想しています。もっとも、そのような動きになったとして、ドルがどこまで売られるのかは見極める必要がありますが。  IMMのポジションを見ても、9月9日時点での円とユーロ売り持ち枚数はその前の週からは減少しています。もっとも、ドル円はその後急速にドル高円安が進行したためその後再び円売りが増加した可能性もあります。低位安定していた米長期金利も、ドル円の上昇に引っ張られる格好で上昇に転じて来ました。今回のFOMCの結果で乱高下するかもしれませんが、ドル円は米景気の回復に伴っていずれはドル高がさらに進むと考えられます。目先の動きだけではなく、来年を見据えたポジションメイクも必要なのではないでしょうか。  本日は大阪市内で黒田日銀総裁の講演と記者会見が予定されています。先週安倍首相との会談の後で、「円安は日本経済にとってマイナスにはならない」と発言し、円が一段と売られるきっかけの一つにもなりました。発言内容には注意したいと思います。予想レンジは106円50銭~107円50銭程度を見たいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は鉱工業生産指数が予想を下回ったことでドルが売られる場面もあったが、107円前後で下げ止まる。その後はFOMCを控え、107円台前半で小動き。
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2014-09-16 09:30