中国の対外投資、初の年間1000億ドル超え・・・米、日につぐ世界第3位、国有企業が55%

 中国政府・商務部、国家統計局、国家外匯管理局がこのほど共同で発表した「2013年度中国対外直接投資統計公報」によると、中国の2013年における海外への直接投資額は前年比22.8%増の10798億4000万ドルだった。中国は米国、日本に次ぐ世界第3位の対外投資国になった。ただし、投資額の55%が国有企業によるもので、対外投資には「政策的側面」がいまだに強いという。中国の年間対外直接投資額が1000億ドルを超えたのは初めて。中国経済週間などが報じた。  中国の海外への直接投資額は、2001年には世界第30位にも入っていなかった。13年時点で、1位である米国の対外直接投資額は3383億200万ドルで、中国の1000億ドル規模はまだかなりの開きがあるが、清華大学中国と世界経済県みゅうセンターの李稲葵主任によると、2025年には中国の対外直接投資額が米国に追いつくという。  党支部対外投資与経済合作司(対外投資と経済協力局)の方蔚副司長は、2013年の中国の対外投資において、国有企業によるもの55%を占めていると指摘。民間企業などによるものが半数に達していないことから「構造面で、政府の決定した投資や国有企業によるものが、依然として大きい」、「投資の主体としての企業の地位を、さらに確立せねばならない」と述べた。  方副司長は、中国企業の海外進出について、「これまでと同様に、投資失敗という事態に直面するリスクは、際立って大きい」とのべ、その例として「華為技術が米国で、いわゆる“国家の安全”を理由として投資が妨害されたこと」を挙げた。 ********** ◆解説◆  華為技術有限公司(Huawei Technologies Co. Ltd.)は、中華人民共和国広東省深センに本社を置く大手通信機器メーカーである。設立は1988年。日本法人の華為技術日本(本社・東京都千代田区)は2005年に設立。  華為技術日本はワイモバイルとソフトバンクモバイル及びNTTドコモとKDDI・沖縄セルラー電話向けに基地局や端末などを供給している。  米連邦議会下院の諜報委員会は2012年10月、華為技術と中興通訊(ZTE)社の製品について、中国人民解放軍や中国共産党公安部門と癒着し、スパイ行為やサイバー攻撃のためのインフラの構築を行っている疑いが強いとする調査結果を発表した。ホワイトハウスが行った調査はスパイ行為などを裏付けられる証拠はなかったとした。  華為技術は2013年4月、「われわれはもはや、米国市場に興味がない」などそして、米国から撤退することを明らかにした。  なお、「華為」は日本で「ファーウェイ」とカナ表記されることが多いが、「華」は「ホア」に近い音。中国語読みとしてカナ表記を紹介する漢和辞典も、「ファー」とは表記しない。(編集担当:如月隼人)
 中国政府・商務部、国家統計局、国家外匯管理局がこのほど共同で発表した「2013年度中国対外直接投資統計公報」によると、中国の2013年における海外への直接投資額は前年比22.8%増の10798億4000万ドルだった。中国は米国、日本に次ぐ世界第3位の対外投資国になった。ただし、投資額の55%が国有企業によるもので、対外投資には「政策的側面」がいまだに強いという。中国の年間対外直接投資額が1000億ドルを超えたのは初めて。中国経済週間などが報じた。
china,economic
2014-09-16 10:45