クリーク・アンド・リバー社は9月2日高値から一旦反落したが自律調整の範囲、上値試す展開

  エージェンシー事業のクリーク・アンド・リバー社 <4763> (JQS)の株価は、9月2日高値668円から利益確定売りで9月11日550円まで一旦反落したが自律調整の範囲だろう。9月16日には600円まで戻す場面があり自律調整一巡感を強めている。今期(15年2月期)業績増額修正の可能性も評価して上値を試す展開だろう。なお10月2日に第2四半期累計(3月~8月)の業績発表を予定している。   日本のクリエイティブ分野(映像・テレビ番組・ゲーム・Web・広告などの制作)で活躍するクリエイターを対象としたエージェンシー(派遣・紹介)事業・ライツマネジメント(著作権管理)事業・制作請負事業を主力として、韓国のクリエイティブ分野、医療・IT・法曹・会計などの分野にも事業展開している。   日本のクリエイティブ分野では、13年8月公開のテレビ朝日開局55周年記念劇場公開映画「少年H」(モスクワ映画祭特別賞受賞)の制作を担当したことが評価され、番組制作請負事業が急拡大している。13年度(13年4月~14年3月)には地上波テレビ放送で200以上の番組制作に携わった。   新規分野として電子書籍・海外版権エージェント事業、作家エージェント事業、オンラインクリエイター事業、建築エージェンシー事業、ファッションクリエイター・エージェンシー事業にも積極展開している。13年12月にはファッションクリエイター・エージェンシー事業の成長加速に向けて、アパレル業界に特化した人材派遣会社インター・ベルを連結子会社化した。またクリエイティブ分野におけるクラウド関連サービスについては9月3日、クリエイティブプラットフォーム「クリエイターズシップ」のサービス提供を開始した。   今期(15年2月期)の連結業績見通しは前回予想(4月3日公表)を据え置いて売上高が前期比11.6%増の230億円、営業利益が同23.6%増の13億50百万円、経常利益が同23.6%増の13億50百万円、純利益が同32.4%増の6億50百万円、配当予想が同1円増配の年間6円(期末一括)としている。   全セグメントが好調であり、新規事業分野での費用先行などを吸収して大幅増収増益見込みだ。セグメント別売上高(内部取引等消去前)の計画は、クリエイティブ分野(日本)が同9.6%増の145億円、クリエイティブ分野(韓国)が同7.3%増の32億円、医療分野が同4.3%増の26億50百万円、IT・法曹・会計・その他分野が同42.6%増の27億円としている。   クリエイティブ分野(日本)は高付加価値のテレビ番組制作請負や大規模Webサイト制作などが増加基調であり、自社開発ソーシャルゲームの新タイトル投入も寄与する。クリエイティブ分野(韓国)は派遣以外の取引拡大、医療分野は営業基盤強化、IT・法曹・会計分野はIT関連の事業再構築、その他分野は12年に開始した電子書籍取次事業の黒字化が寄与する。また新規事業(作家エージェント、オンラインクリエイター、建築エージェンシー、ファッションクリエイター・エージェンシー)も順次収益化する見込みだ。   第1四半期(3月~5月)は前年同期比26.8%増収、同49.8%営業増益、同50.9%経常増益、同2.2倍最終増益で、通期見通しに対する進捗率は売上高が26.5%、営業利益が42.8%、経常利益が43.2%、純利益が53.7%と高水準だった。通期見通し増額の可能性が高いだろう。   中期成長戦略では、既存事業で年率10~15%の成長を見込み、新たにスタート予定のクラウド関連サービスを含めた新規分野の積み上げ・収益化で、18年2月期に売上高300億円、営業利益30億円をイメージしている。中期的に収益拡大基調だろう。   なお8月12日に発表した自己株式取得(取得株式総数の上限40万株、取得価額総額の上限2億円、取得期間14年8月13日~14年8月22日)については、期間内に32万8200株(取得価額総額1億8608万1400円)を取得して終了した。   株価の動きを見ると、14年1月高値505円突破後は上げ足を速める展開となった。8月25日に620円を付けて13年5月高値600円を突破し、9月2日には668円まで上伸する場面があった。その後は利益確定売りで9月11日の550円まで一旦反落したが自律調整の範囲だろう。9月16日には600円まで戻す場面があり調整一巡感を強めている。   9月16日の終値582円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS30円19銭で算出)は19~20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS185円70銭で算出)は3.1倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。今期業績増額修正の可能性も評価して上値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
エージェンシー事業のクリーク・アンド・リバー社<4763>(JQS)の株価は、9月2日高値668円から利益確定売りで9月11日550円まで一旦反落したが自律調整の範囲だろう。
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2014-09-17 09:00