【為替本日の注目点】FOMC見方分かれ慎重な見通しを維持か、焦点は相当な期間
NY市場
107円台前半で取引されていたドル円はWSJの記事で一時106円81銭まで売られた。FOMC声明文では文言は変わらないとの見方がドル売りにつながったが、その後は株価が大幅高になったことで、元の位置の107円台前半まで反発。
ドルが売られたことで、ユーロドルも1.30目前まで反発したが、徐々にドル買いが優勢となり1.29台半ばで引ける。
株価は大幅に反発。中国人民銀行が大幅な流動性を供給するとの報道に反応した格好。ダウは100ドルを超える上昇を見せ、再び最高値に接近。
債券相場は小幅に下落。WSJの記事に一時は買われたが、スコットランド独立を巡る動きにやや売りが優勢となる。
金、原油はともに続伸。
8月生産者物価指数 → 0.0%
ドル/円 106.81~ 107.22
ユーロ/ドル 1.2936 ~ 1.2995
ユーロ/円 138.57 ~ 138.96
NYダウ +100.83 → 17,131.97ドル
GOLD +1.60 → 1,236.70ドル
WTI + 1.96 → 94.88ドル
米10年国債 +0.004 → 2.594%
本日の注目イベント
欧 ユーロ圏8月消費者物価指数(改定値)
英 BOE議事録
英 8月失業率
米 8月消費者物価指数
米 9月NAHB住宅市場指数
米 FOMC政策発表
米 イエレン議長記者会見
ドル円は目立った「調整」がないまま、いよいよ明日未明にはFOMCの声明文が発表されます。107円30-40銭辺りが重そうに見える一方、107円を割ると買いも入る展開が続いています。特に昨日はWSJ(ウォールストリート・ジャーナル)の記事でドル円は106円80銭近辺まで下落しましたが、結局元の「定位置」に戻っています。多くの市場関係者が「FOMC前には調整があるのでは」と予想していましたが、どうやら、このままFOMCを迎えそうです。
米WSJのFRB担当記者が、FOMCは債券購入プログラム終了後も低金利を「相当な期間」続けるとの文言を維持するとの見通しを示したことで、ドル売りが加速する場面がありました。円やユーロが買い戻され、一方で債券や株も上昇しましたが、債券は息切れし、結局低金利が継続されるとの見方から株価が大幅に上昇し、ドル円もこちらに反応して再び107円台まで買い戻されています。
明日未明に発表されるFOMCの声明文については見方が分かれているようです。焦点は上記「相当な期間」という文言の取り扱いです。個人的には、これまで好調な経済指標が続いていたものの、8月の雇用統計以来予想を下回る指標も出始めており、「ハト派」的なFOMCメンバーが多いことから、慎重な見通しを維持するのではないかと予想しています。また、イエレン議長の記者会見を伴うFOMCは12月にも開催されます。今回が今年最後というわけでもないため、FRBとしては次回までもうしばらく経済データを慎重に分析したいという決定もあり得るのではないかと考えています。
ドル円は先週木曜日に107円台に乗せて以来、丁度1週間その水準を維持しています。その意味では今回のドル高は少なくとも、昨年後半から年初まで続いたドル高局面とは異なっていると思われます。長い間続いた101-103円のレンジを本格的に上抜けしたということであれば、まだ上値を試せると考えられます。今年の値幅を考えても、まだ6円70銭程度です。例年動く値幅からしてもまだ上値の余地は残っているのではないでしょうか。
ただそれでも、今後ドルが上昇するためには「調整」も必要ではないかと思います。今回のドル高は、米国での利上げ観測の前倒しと、日銀の追加緩和観測の再浮上が相乗した結果です。実際問題、どちらも2015年の可能性が高いことを考えれば、ドル高のスピードがゆっくりとした「巡航速度」に戻ってもおかしくはありません。本日はFOMC声明文が発表になる明日3時ごろまでは、これまでの様に107円前後の動きかもしれません。ただその前に、「調整」のドル売りが出れば話は違いますが、それでも106円台半ば辺りが下値のメドになりそうです。レンジは106円50銭~107円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
107円台前半で取引されていたドル円はWSJの記事で一時106円81銭まで売られた。FOMC声明文では文言は変わらないとの見方がドル売りにつながったが、その後は株価が大幅高になったことで、元の位置の107円台前半まで反発。
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2014-09-17 09:45