中国人観光客への「お食事接待」ノウハウ 意外なオススメ日本料理

全国2000万中国ビジネスヘッドライン愛読者の皆様、今日も元気に、「あなたの隣の中国人問題」を一緒に考えてまいりましょう。
中国から取引先が来日することになりました。前々から「日本に行ったら、おいしいもの食べに行きたい」と熱い期待が寄せられていたのですが、中国の方にとって「おいしい日本の食べ物」または喜ばれるモノとはどんなものなのでしょう?
最近、中国でもめぼしい都市には「それらしい日本料理屋」もあったりするわけですが、ご当地にはそんなものは皆無。ちなみに来日する面々はほんとの田舎のオッサンです。(なやめる日本食オトコ 男性・会社員 45歳)
なるほど。
中国の取引先を接待されるんですね。食事さがしにプレッシャーを感じておられるご様子。ご苦労様です。さきにドラゴンならの経験から「メニュー別おすすめどころ」を提案しておきましょう。
■中国人観光客にオススメの日本料理 ベスト3
■第3位 オムライス
意外に思うかもしれませんね。カレーライスと並んでオムライスの評価はメチャ高です。
あのとろけるような卵の食感、そして見た目のまろやかさは中国人の心を包み込んで離しません。漢語(中国語)ではオムライスのことを荷包蛋飯(札入れご飯)と訳されているようです。お財布みたいな印象なんでしょうか?
ちなみに類似メニューの印象で「洋風天津飯」とか言っても中国の友人たちには通じないのでご注意(当該料理は日本の創作メニュー)。
■第2位 お好み焼き
自分の食べるものを「自分で作り上げる」という作業が中国の友人たちには「とっても新鮮」らしいのです。
アルミのお椀に入ったコナモンをコシャコシャとかき混ぜて目の前のアツアツ鉄板にジュジュジュッと落とし込む。すべての工程が食べる本人の目の前で、何のごまかしもなしに、一部の隙も見せずに淡々と組み立てられていく。フィニッシュに何か薄い木片にも糸クズのようにも見える調味料(カツオブシ)を振り掛けるや、まるで生き物のように踊りだす。
このファンタジックな光景に、たいていの中国の友人たちは食べるのも忘れて見とれてしまうようです。
帰国前に「最後に何が食べたい?」と中国人旅行者に聞くと間違いなく「お好み焼き」というリクエストが返ってくる文字通り「テッパンねた」ですのでぜひお試しあれ。
■第1位 寿司
回転すし。中国の友人にはエキサイテイングな体験だそうである。
■脱線:お寿司ってエロ食? 中国視察団の尋常ならぬ「ご執心の背景」
誤解なきよう先にお断りしておきますが以下のエピソードは2003年当時の話題です。「昔はこんなこともあったのね」くらいのノリで読み流してください。
我輩が、合弁パートナーを接待したときの話である。ご一行は鎮長(村長)以下お役人随行企業家からなる「視察団」。すでに本来スケジュールの視察や会議は終わって、ちょっと息抜きしてこいや、という算段である。行き先は中国側のリクエストで京都に決まっていた。
我輩は朝からレンタカーを運転してホテルに到着、ご一行を乗り込ませる。ご一行さまも京都へ行く、すなわち観光という気配は分かったようだ。
しかも案内役が「漢語のわかるドラゴンなら」→あくまで中国語が話せる、という意味で「ハナシの分かる」という意味ではないのでご注意! ということもあって一行には朝から言葉にならぬテンションがみなぎっていた。
出発するなり中国側まとめ役のC局長が、小声で「オイ、シャージー(殺鶏,楢崎は中国人にはこう呼ばれている)。鎮長が寿司というものを食いたいって言ってるゾ」
我輩「ああ、そうですか。今日たべましょうか?」と答えるなりうしろからオオ! と声ならぬ声でどよめきが広がっていくのである。
やがて車は京都駅前に到着。ちょっと早めのランチという設定だ。京都駅で「それらしいすし屋」を探し当てた、と。
一行は?????
明らかに動揺とも期待はずれの苛立ちともとれる言葉にならぬ混乱に続き、なにやら内輪もめが始まってしまった。
「寿司って、これ?」
「ハナシが違うやろ!」
「でも、シャージーが寿司って言ってるし」
「看板にも寿司って書いてるから」
「あたりまえだろ!昼間っから、そんなものあるわけないやろ」
鳩首会談は五分にも及んだろうか。一行やむなくとぼとぼお店に入って、案内された席について寿司定食を待つことになった。やがて出てきた寿司定食をみて、
「これは海老だ」
「これは、なまイカだ」
「これなんだ? タイ? なま? うえええっ!」
結局、ほとんど生サカナを食べられず、一行は、プイッと店を出てしまったのだった。次の目的地まで、車中のシラーっとした空気は、しばらく回復することはなかった。
後日談で分かったことだが、当時出始めた中国のインターネット情報の中に、「寿司→女体盛」という話が相当広範囲に出回っていて、中国の友人たちのあらぬ期待を煽っていたのであった。ご一行が寿司寿司とこだわったのは実はこんな伏線があったのだ(早く言ってよ!)。
当時の日本情報とはこんなものだったのだ。もう今となっては「昔の笑い話」である。ちなみに、いまでは刺身でも寿司でもユッケでも何でも食べられる中国なのだが、シャンハイ在住の日本人4人に1名は寄生虫飼い主との未確認情報もあるのでナマ食はくれぐれもご注意を!
■本当に困るのは夕食後
おっと…我が国での「おもてなし」の話でしたね。
実は中国の友人たちを日本でおもてなしするとき、ホントに困るのは夕食後なのだ。中国ならば雑技団やマッサージパーラーなどアフタ-デイナーには苦労することもないけれど我が国の場合、現実的にはカラオケくらいしか対処の方法がないようだ。(最近は中国語レパートリーが充実した店もあるので事前調査しておけばいい。)
度胸の据わった同僚(ホンコン出身、女性マネジャー)は、別の機会に別の中国ビジネスマングループを、ストリップ小屋に案内したことがあったとか。(品行方正な我輩にはできない芸当である)
そのときのお客様方は、みな一様に、正視に堪えない様子で「顔に両手を押し当てて、指の間からしっかり観劇」していたそうである。でも、いまどきそんな小屋も、どこでもあるというものでもなさそうだ。
カラオケ接待の場合、我輩はなるべく知り合いの中国人留学生(できれば女子)に同席してもらうようにしている。
ホステス代わりというわけではない。
中国人として日本の生活をどうしているのか? 住環境はどうか? などなど、みな日本の日常ネタには非常に関心が高い(中には自分の子供を留学させたいと考えているケースもある)ようだ。
いずれにしろ、お客様はせっかく遠くから日本まで来てくれたのだからホスト側はこんなところまで配慮して、接待を乗り切ってください。成功を祈っています。(執筆者:楢崎 宣夫 提供:中国ビジネスヘッドライン)
全国2千万中国ビジネスヘッドライン愛読者の皆様、今日も元気に、「あなたの隣の中国人問題」を一緒に考えてまいりましょう。
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2014-09-17 09:45