ワインショップソムリエが直輸入ワインの楽しみを六本木から発信

「ワインショップソムリエ」として直輸入ワインの販売を行っている(株)トゥエンティーワンコミュニティが、料理と一緒にワインを楽しむ場として2010年に開設した東京・六本木の「ワインと食の総合ビル」が、2014年9月26日にオープンから4周年を迎える。同社代表取締役で自らもソムリエの資格を持つ守川敏氏に、「ワインショップソムリエ」が提供しているワインの楽しみ方について聞いた。(写真は代表取締役の守川敏氏、写真撮影サーチナ)
――御社のワイン事業は、六本木の実店舗のみならずWEBショップ「ワインショップソムリエ」を通じて、全国展開をなさっています。日本におけるワイン消費の現状は?
ワインについては、消費のすそ野が広がっていることを実感しています。高級ワインから、日常的に楽しむワインまで、一人のお客さまでも利用シーンに合わせて様々なワインを選んで楽しまれるようになっていると思います。
飲食店のコンサルティング事業で創業した当社が、ワイン事業を始めたのは10年ほど前です。スタート当初は、社内のワイン好きが集まって趣味の延長で自分たちが好きな限られたワインだけを扱っていました。そのため、事業としては赤字続きで、なかなか軌道に乗らなかったのですが、最近は、価格帯やラインナップを広げることでより多くの方にアプローチできるようになり、当社が提供する直輸入ワインをご利用いただく方々も増えているのを実感しています。
――「ワインショップソムリエ」で取り扱うワインの特徴は?
世界各地には、無名ではありますが、情熱を持って美味しいワインを作ろうと努力し続けている多数の生産者がいます。私たちがワインの直輸入事業をスタートしたのは、そのような情熱を持ってワインを作っている方々を一人でも多く、日本の消費者の皆さまに紹介したいという思いからでした。
大手メーカーから大量に輸入してスーパーや量販店の棚に並ぶようなワインではなく、ブドウの栽培からこだわって、手間暇を惜しまない小規模なワイン生産者には、本当に良いワインを作っている方々が少なくありません。そのような生産者から、ワインを買い付けて、大手商社などを通さずに直接、消費者の方々にお届けすることで、美味しいワインを良心的な価格で提供できるという確信を持ち、ワイン事業をスタートしました。
ところが、実際にやってみると、仕入れから、輸入、問屋業、卸売業、販売、さらには、消費者の元へお届けするまでの流通を一手にやらなければならないので、それは大変なことでした。リーファーコンテナ(温度管理ができるコンテナ)を使って小ロットで輸入すれば、それだけ1本あたりの輸送費も高くなりますし、在庫管理も必要です。また、ワインを良い状態で保管するためには、専用の倉庫も作る必要がありました。試行錯誤の結果、ある程度の数量が安定的に販売できる体制が整ってきたので、ようやく最近になって、“良いものを良心的な価格で”という当初の目的に叶った販売がビジネスモデルとして成り立つようになりました。
店舗名に「ソムリエ」とある通り、当社のワイン事業部でワインを仕入れ、お客さまに提供するスタッフは、全員がソムリエです。ソムリエとしてワインに対する知識や経験を重ねた者が、最高の状態のワインを提供するようにしています。
ワインの選定の際には、世界各地のワインの展示会や、生産者のもとを直接訪ね、各地の状況を視察。ワインのプロとして品質やそれに見合う価格かどうかを十分吟味した上で、どのワインを輸入すべきか、また、その際にはどれだけの量にするのかなどを決めています。
また、千葉にワイン専門倉庫を設置したことで、15時までのご注文は、当日発送ができるようになりました。ワインの品質を保つためには輸送や移動の際の温度変化のリスクに気を付けなければなりませんが、千葉倉庫ではリーファーコンテナで陸揚げされ、徹底的な温度管理のもと保管された最良の状態のものを、直接、ご自宅に配送することもできるようになりました。
このように、仕入れから保管にまでこだわったワインをお届けすることによって、1本数万円もするような高級ワインだけでなく、1本1000円から2000円前後でも美味しいと膝を叩くようなワインがあることを知っていただきたいと思っています。
――六本木のワインショップと併設のレストランが共にオープン4周年を迎えます。レストランを開設した狙いは?
ソムリエとしてワインをご紹介する時に、ワインに合った食事を提供したい、また、提供するワインについて、お客さまが実際にどのように感じておられるのか、生の声を聞きたいという思いがありました。幸いにワインの卸事業を通じて知り合いになったレストラン関係者の方を通じて、こだわりのイタリアンやフレンチを提供したいという料理人の方々と巡り合いました。また、パン職人、パティシエ(菓子職人)にも来ていただいて、美味しいワインと食事が楽しめる複合店をオープンしました。
これらの2つのレストラン(ぶどう酒食堂さくら、ル・プティ・マルシェ)では、併設しているワインショップで購入したワインの持ち込みができます。また、レストランで出したワインを店舗でお買い求めいただくこともできます。レストランで提供するパンは、可能な限り小麦から店内の石臼で製粉した粉を使い、自家製の天然酵母を使って焼き上げたパンですし、スイーツも全て手作りです。もちろんこれらのパンやスイーツは店舗でお買い求めもできます(ラトリエ・デュ・パン、ココ・アンジュ)このように、六本木の店舗にお越しいただけましたら、ワインと食に関して様々に楽しんでいただけます。
この実店舗ができたことで、当社がめざしているワイン販売に、一歩近づくことができたと思います。
――「ドンペリ」が当たるキャンペーンを開催されていますが、この狙いは?
誰もが知っている高級シャンパン「ドン・ペリニヨン」をプレゼントすることによって、多くの方々に、「ワインショップソムリエ」について知っていただきたいと思いました。また、このキャンペーンにより、ワインについても、より深く知っていただくきっかけになればと思っています。
今回のプレゼントキャンペーンへの応募で、eメールアドレスを登録していただくと、「ソムリエ便り」という無料メルマガが届きます。メルマガでは、ワインに関する様々な話題を提供するとともに、六本木のショップで行っているイベントの案内などを行っています。六本木店舗では毎月のように、世界各地のワインの生産者が来日し、ワインを囲んだ交流会を開いています。そのような場所で、実際に愛情を込めてワインを作っている方の話を直に聞くと、ワインに対する感じ方が違ってくると思います。そのようなきっかけづくりも行っています。
ワインについて、少し興味を持った方なら、ぜひ、六本木の店舗を訪ねて、スタッフのソムリエと話をしてみてください。また、当社が発行する「ソムリエ便り」をご一読いただきたいと思います。今後も一人でも多くの方々に、美味しいワインとの出会いをお届けしたいと思っています。(編集担当:徳永浩)
「ワインショップソムリエ」として直輸入ワインの販売を行っている(株)トゥエンティーワンコミュニティが、料理と一緒にワインを楽しむ場として2010年に開設した東京・六本木の「ワインと食の総合ビル」が、2014年9月26日にオープンから4周年を迎える。
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2014-09-17 19:00