【為替本日の注目点】FOMC受けドル円急騰108円台半ば、6年ぶりのドル高水準
NY市場
FOMCでは「相当な期間」という文言は据え置かれたものの、政策金利見通しが上方修正されたことでドル高がさらに加速。ドル円は108円台に乗せ、一時108円38銭まで上昇。早朝のオセアニア市場では108円台半ばを超える。
FOMC声明文を受けてユーロドルも急落。1.29台半ばから1.2852まで下落し9月9日に記録した安値を更新。
株式市場は続伸。ただFOMC声明文を受け大幅に上昇したものの、終わり値では声明文発表前の水準まで上げ幅を縮小。ダウはそれでも24ドル高と、最高値を更新。
債券相場は続落。FOMCでの政策金利見通しを受け売り物が優勢の展開となり、長期金利は7月7日以来の2.62%台まで上昇。
金、原油はともに反落。
8月消費者物価指数 → -0.2%
9月NAHB住宅市場指数 → 59
ドル/円 107.15~ 108.38
ユーロ/ドル 1.2852 ~ 1.2982
ユーロ/円 138.93 ~ 139.63
NYダウ +24.88 → 17,156.85ドル
GOLD -0.80 → 1,235.90ドル
WTI -0.46 → 94.42ドル
米10年国債 +0.027 → 2.621%
本日の注目イベント
日 8月貿易収支
英 スコットランド、独立を問う住民投票
英 英8月小売売上高
米 新規失業保険申請件数
米 8月住宅着工件数
米 8月建設許可件数
米 9月フィラデルフィア連銀景況指数
注目のFOMC声明文が発表され、ドル円はついに108円台半ばまで急騰し、NYダウは3ヶ月振りに史上最高値を更新しています。焦点だった「相当な期間」という文言が据え置かれ、どちらかと言えば「ハト派」的な決定だったにも関わらず、ドル円は6年ぶりのドル高水準をつけてきました。「相当な期間」という文言は予想通り維持されましたが、2015年末時点の政策金利誘導の目標中央値が1.375%と、6月予想の1.125%から上方修正されたことがドル高に結びついたものと考えられます。
ドルが上昇した際には、ドル買い円売りのポジションを積み上げている投機筋の「絶好の売り場」になるのではないかと予想していましたが、予想外の展開になりました。それ程ドル先高感が根強いということのようです。ただそれでもストキャスティクスなどの指標は買われすぎの水準を示しているため、注意は必要です。この先どの水準でひとまず「達成感」が出てくるのかを探る展開でしょう。
FOMCでは、景気が緩やかに拡大しインフレ率は目標を下回っていると指摘した上で、資産購入が終了した後も事実上のゼロ金利政策を「相当な期間」維持する方針を改めて示しました。イエレン議長は会合後の記者会見で、「労働市場はまだ完全に回復していない」と述べ、「インフレは委員会の目標である2%を下回っている」と続けました。(ブルームバーグ)利上げの時期について、FOMCは様々な情報を考慮し決定するとの姿勢を改めて示した形になりました。
ここまでは、従来の姿勢と変わりません。変わったのは2015年末のFF金利誘導目標が、6月時点の1.125%から、1.375%に引き上げられたことです。現在のゼロ金利から1年3ヶ月程度の短い期間に1.375%まで引き上げられることは、かなり急激な引き上げになることが想定されます。市場はこの誘導目標の上方修正に反応したものと思われます。
さて、108円台半ばまで上昇したドル円はなかなか上値のメドが見極めにくくなっています。「月足」では2008年9月に109円17銭をつけているので、ひとまずはその水準が意識され、その上は、いよいよ「110円」ということになります。上昇スピードが急なだけに、「調整」が待たれるところですが、ひとまず上記「110円」が見えてくるまでは見込みにくいのかもしれません。
FOMCが終わり、市場のボラティリティーは高まって来ました。水準が水準だけに取引も活発になりそうです。そして今夜はスコットランドの住民投票が始まります。結果が判明するのは日本時間明日の午後になりそうですが、こちらもさらに取引を活発にしそうです。本日は108円~109円程度を予想したいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
FOMCでは「相当な期間」という文言は据え置かれたものの、政策金利見通しが上方修正されたことでドル高がさらに加速。ドル円は108円台に乗せ、一時108円38銭まで上昇。早朝のオセアニア市場では108円台半ばを超える。
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2014-09-18 09:30