川崎汽船は構造的成長期迎える、今期も増額修正が有力

  川崎汽船 <9107> は9月9日の高値265円から一呼吸入れているが、再度の見直し人気が波及してくるのは時間の問題と思われる。目先はバルチック海運指数の下落が嫌気されているが、中期的には強い基調に変化はない。   証券会社のレーティング引き上げの動きに始まり、中期経営計画でROE10%を目標とするとの報が伝えられ、証券会社のレーティング最上位継続、目標価格の引き上げが相次いだほか、1000億円を投じ大型発注を再開するなど、材料ラッシュの状態がつづいていた。   コンテナ船はアジア発欧米向けを中心に輸送量が増え、不採算航路の合理化に伴う経費抑制もあり、今2015年3月期の第1四半期は営業利益が97億円と、前年同期比32%増益を達成した。   元々、海運業界では船舶の発注から竣工までの期間が長く、需要に見合った供給量の調整に時間を要する。コンテナ船の状況を見ると、2011年頃からは、リーマンショック前に発注した船舶の大量竣工が続く一方、欧州の景気低迷や中国の景気減速の影響で輸送需要が伸び悩み、運賃低迷が続いていた。今期第1四半期は、為替差損益の悪化で前年同期と比べ経常減益となったものの、為替差損益の影響を反映しない営業利益ベースでは、コンテナ船の輸送量増加もあり、前年同期と比較し大幅な営業増益に。   円安に伴う運賃収入の増加や、各種経費の抑制もあり、近年としては高水準の黒字が定着している。コンテナ船は長い期間を経てようやく収益が安定期を迎えており、今回の収益回復は中期的に続くものと思われる。   今期についても営業利益は会社側見通しの360億円を上回る390億円(前期288億円)への増額が有力になっている。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
川崎汽船<9107>(東1)は9月9日の高値265円から一呼吸入れているが、再度の見直し人気が波及してくるのは時間の問題と思われる。
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2014-09-18 10:15