東洋ドライルーブはモミ合い上放れの動き、年初来高値試す
ドライルーブ製品コーティング加工の東洋ドライルーブ <4976> (JQS)の株価は、概ね1580円~1650円近辺でのモミ合い展開だったが、足元では徐々に水準を切り上げてモミ合い上放れの動きを強めている。調整が一巡して強基調へ転換する動きのようだ。低PERと低PBRも支援材料であり、6月の戻り高値1700円、そして1月と2月の年初来高値1735円を試す展開だろう。
ドライルーブ(固体皮膜潤滑剤)製品のコーティング加工を主力として、その他事業ではナノカーボン製品の製造も展開している。海外は中国、タイ、ベトナムに展開している。
ドライルーブとは二硫化モリブデン、フッ素樹脂、グラファイトなどの潤滑物質と各種特殊バインダーをハイブリッド配合し、各種溶剤または水に分散させた有機結合型の多機能皮膜である。耐摩耗性に優れているため自動車機器、デジタル家電、デジタルカメラなどの駆動伝達部で、オイルやグリースなどの液体潤滑剤を使用できない部位にコーティング皮膜として使用される。
中期成長に向けた事業戦略では、新製品・新加工技術の開発、アジア地域を中心としたグローバル展開を積極推進する方針だ。新製品では発熱皮膜、放熱皮膜、撥水・撥油皮膜、DLC皮膜、SUS316コート、ナノシルバーコートなどを開発している。
今期(15年6月期)の連結業績見通し(8月8日公表)は、売上高が前期比1.9%減の50億30百万円、営業利益が同21.9%減の3億06百万円、経常利益が同9.1%減の3億68百万円、純利益が同17.9%減の2億47百万円、そして配当予想が前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。
セグメント別売上高の計画はドライルーブ事業が同2.0%減の50億07百万円(自動車機器業界向け同2.7%減収、光学機器業界向け同10.4%増収、電気・電子機器業界向け同11.3%減収、その他業界向け同0.7%減収)で、その他事業は同21.1%増の23百万円としている。
自動車機器業界向けは底堅い受注を見込んでいるが、電気・電子機器業界向けがや低調となり、利益面では販売価格引き下げ要請などが影響して減収減益見込みとしている。海外連結子会社の生産性改善も課題としている。ただし自動車生産台数は高水準推移が予想され、会社見通しには保守的な印象も強い。コスト低減効果も寄与して上振れ余地があるだろう。
株価の動きを見ると、6月の戻り高値1700円から反落後はやや小動きとなり、7月以降は概ね1580円~1650円近辺でのモミ合い展開だ。しかし足元では徐々に水準を切り上げて、モミ合い上放れの動きを強めている。
9月18日の終値1645円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS186円55銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS4276円42銭で算出)は0.4倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。調整が一巡して強基調へ転換する動きのようだ。低PERと低PBRも支援材料であり、6月の戻り高値1700円、そして1月と2月の年初来高値1735円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ドライルーブ製品コーティング加工の東洋ドライルーブ<4976>(JQS)の株価は、概ね1580円~1650円近辺でのモミ合い展開だったが、足元では徐々に水準を切り上げてモミ合い上放れの動きを強めている。
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2014-09-19 09:00