ソニーは小反発後に売り優勢、アップル関連株は新型モデル発売も高安マチマチ

  ソニー <6758> は、寄り付き直後に6円高の1946円と買い直されて3日ぶり反発したあと、40円安と再び売られるなど前日終値水準で売り物がやや優勢となっている。   米アップルが、今年9月9日に発表したスマートフォンの新型モデル「iPhone6」、「iPhone6PLUS」が、きょう19日に発売、この関連株に一角に位置する同社株の反応が注目されており、9月17日に開示した今3月期業績の下方修正・赤字拡大、上場以来の無配転落と、前日の米国市場が同社ADR(預託証券)が、東京市場の終値に対して20.8円高(円換算値)と反発したことが綱引きして売り買いが交錯している。   同社株以外のアップル関連株は、12日の予約開始とともに過去最高の受注台数を記録したことを手掛かりに大ヒット間違いなし先取りする動きが続いたが、ミツミ電機 <6767> が、14円高の879円と変わらずを挟んで4日続伸、アルプス電気 <6770> が、5円高と続伸したあと27円安の1672円と反落し、村田製作所 <6981> が、300円高の1万1610円と3営業日続伸し連日、年初来高値を更新、ジャパンディスプレイ(JD) <6740> も、2円高と反発したあと5円安の567円と続落するなど高安マチマチとなっている。 ■「iPhone6」は予約開始日に1日で過去最高の400万台を受注   「iPhone」の新型モデルは、予約開始の12日の24時間中に約400万台の受注を達成、これまでの新機種発売時の2倍と過去最高となった。2年ぶりのメジャーチェエンジで画面が大型化され、画像処理の高速化など基本スペックが進化したことなどが評価されたもので、きょう19日午前8時に世界10カ国で同時に先行発売される。   この新型モデルには、日本企業の最先端部品が搭載されており、新モデル発表とともに関連株買いが強まった。ソニーは、スマホ向けなどへの供給体制を強化するために、今年7月23日にカメラの目となる積層型CMOSイメージセンサーを生産する長崎テクノロジーセンター、熊本テクノロジーセンターの2工場に総額約350億円の設備投資を実施、今年1月に生産能力強化を発表した山形テクノロジーセンターと合わせて、同センサーの総生産能力を現在の月産6万枚から2015年8月に同6万8000枚に増強する。   ただ同社は、今3月期業績をモバイル・コミュニケーション(MC)事業のスマートフォンの販売台数が期初予想を下ぶれ、MC分野の営業権全額に減損損失約1800億円を計上することを要因に下方修正、純利益は、期初予想の500億円の赤字から2300億円の赤字(前期実績1283億6900万円の赤字)に引き下げて悪化、期初に未定としていた配当も、1958年の上場以来初の無配(前期実績25)とする。   同社株のほかのアップル関連株は、手ぶれ補正用の部品が搭載されたミツミ、アルプス、中小型液晶を供給するJD、高速データ通信用の高周波部品を担当する村田製が、新型モデルの最先端機能をサポートしている。 ■なお再下方修正懸念が続き低PBR、信用好取組と綱引きして下値模索も   ソニーの株価は、前期業績の2回目の下方修正に今3月期純利益の連続赤字予想が重なって年初来安値を窺う1588円と突っ込み、この安値水準でイメージセンサーの生産能力増強、プレステーション4の世界累計販売台数1000万台達成、画像センサーを活用した自動車自動運転・無人飛行機開発思惑などの好材料が次々に続いて底上げ、年初来高値追いとなった。今回の業績下方修正で大きく急落したが、なお今期業績の再下方修正も懸念されており、0.8倍の低PBR、倍率1.45倍の信用好取組などと綱引きしつつなお下値を模索する展開も想定される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ソニー<6758>(東1)は、寄り付き直後に6円高の1946円と買い直されて3日ぶり反発したあと、40円安と再び売られるなど前日終値水準で売り物がやや優勢となっている。
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2014-09-19 10:15