セガ「え~でる すなば」、子どもが夢中になるハイテク砂場は親も安心

 セガが開発したプロジェクションマッピングを使った子供向け遊具機器「え~でる すなば」が話題になっている。水がなくても自由な造形が楽しめる「え~でる サンド」(スウェーデンで室内用に開発された砂)、高低差を検知するコントローラー「kinect」(マイクロソフト)、そして、建物など物体に映像を映し出すプロジェクションマッピングなど、数々の最新の技術を組み合わせて作りだした「砂場」だ。この「え~でる すなば」のプロデューサーであるセガの杉森裕司氏に、開発の経緯と今後の展望について聞いた。(写真は「え~でる すなば」とプロデューサーの杉森裕司氏、写真撮影サーチナ) ――「え~でる すなば」の開発のきっかけは?  今、お子様向けのゲームとして人気があるのは、カードやメダルを集めるものが中心になっています。子どもは熱中して遊んでいますが、そのことに対して、親は必ずしも納得していない部分があるという声を聞くことがあります。そこで、子どもが楽しんで遊べて、それを見守る親も納得できるような遊具の開発を進めました。  プロジェクションマッピングを使って、高低差に変化があるフィールドに様々な映像を投影した遊びをお子様向けに提供しようと考え、そこに昔からある「砂場遊び」を組み合わせたのが「え~でる すなば」の原型です。砂による造形の変化に合わせて、投影される映像が変化するように、フィールドの形状変化を検知する技術としてkinectを使おうということになりました。  開発を進める中で、水もないのに自由に造形が楽しめる砂がスウェーデンで開発されたことを知り、それを取り入れることで室内でも遊べる砂場ができると確信しました。そこから、一気に開発のスピードが上がりました。 ――「え~でる すなば」の遊び方は?  「すなあそび」と「できるかな」という2つのモードを用意しました。 「すなあそび」モードは、自由に砂遊びを楽しんでもらうモードです。砂を掘ると、自然に池や川ができます。砂山を作ると、そこに森ができ、様々な虫が出てきます。4つの季節を用意して、その季節に応じた虫が出てきます。「春」はチョウとテントウムシ、「夏」はカブトムシとクワガタ、「秋」はカマキリとダンゴムシ、そして、「冬」はクモとテントウムシです。「春」の山は桜でピンク色にもなり、「冬」の山は雪で白くなるなど、それぞれの季節に合わせて風景も変わります。  「できるかな」は、「え~でる すなば」の楽しみ方を覚えてもらうモードとして用意しました。ハートやドーナツの形を作るなど、砂に投影されるガイドに沿って砂での造形遊びをしていくことで、映し出される絵が変わることを知ってもらい、投影されている虫を触ることで、虫が反応して動くことを知ってもらいます。この案内には、ガイド役キャラクターとして「アンデルくん」が登場し、子どもに話しかけながら操作方法を自然に覚えるように導き、お子様が楽しみながら遊び方を覚えることができます。  昔からある砂遊びが、お子様の創造力や想像力を刺激し、実際に身体を使って手や指先の感覚を磨くような知育的な要素があるように、「え~でる サンド」を使って、子どもに造形の楽しさを感じていただけます。そこに映像が加わることで、驚きを増幅して子どもの楽しみを増す効果があると思います。  現在、試験的に設置した場所で、実際に子どもたちに「え~でる すなば」を遊んでもらっていますが、水なしでいろんな形が作れる「えーでる サンド」は触ると気持ちいいと好評です。また、砂が手にくっつきにくいので、服を汚したりすることなく遊ぶことができます。5分間、10分間などと時間を区切って遊んでもらっていますが、気に入った子どもは、いつまでも遊んでいたいと思ってくれるようで、付添いの親や祖父母の方も「これだったら子供に遊ばせたい。」と何度もプレイしていただいく事が多く、とても好評です。 ――今秋から、商品を発売する予定ということですが、どのような場所に置いていく計画ですか?  ショッピングセンター内のゲームコーナーがメインの置き場になると思います。「え~でる すなば」は、3歳以上の未就学児をメインユーザーに想定して開発した遊具なので、一般的なゲームセンターに置いてあるゲーム機とは異なる場所にも置いていただけると考えています。筐体の外観も、森をイメージして木製の遊具のような作りにしました。派手に光を出したり、音を出したりしないので、住宅展示場やカーディーラーなど、親子で出かけて、子どもが退屈してしまいそうな場所にもぴったりだと思っています。   ――「え~でる すなば」をきっかけに、今後、どのような展開が考えられますか?  「え~でる すなば」は、親子で楽しめることをコンセプトに開発しましたが、実際に試験機を置いてみると、おじいさんがお孫さんと一緒に遊びに来ていただけるなど、祖父母の世代も含めた3世代で楽しめる遊具として使っていただいています。このように、3世代で楽しめて、安心して遊べる分野の製品を提供していきたいと思っています。  さらに、「え~でる すなば」でパッケージングした技術は、いろいろな可能性があります。一つは、現在の「え~でる すなば」としての遊び方の幅を広げるためのソフト面の充実です。他には、技術やシステムを生かして、もっと年齢の高い子どもや、大人をターゲットにした新たな製品を開発することも可能だと思います。これまで体験したことがないような驚きや感動につながるエンターテインメントの可能性を探っていきます。(編集担当:徳永浩)
セガが開発したプロジェクションマッピングを使った子供向け遊具機器「え~でる すなば」が話題になっている。
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2014-09-19 16:00