スターティアは下値固め完了して出直りの動き本格化、3月高値目指す

  電子書籍関連のスターティア <3393> の株価は、8月12日の直近安値1451円から反発し、上げ足を速めて出直りの動きが本格化している。9月16日には1880円まで上伸する場面があった。下値固めが完了して強基調に転換した形であり、中期成長力を評価して3月高値2209円を目指す展開だろう。なお10月31日に第2四半期累計(4月~9月)の業績発表を予定している。   電子ブック作成ソフト「ActiBook」を主力として、Webアプリケーションを開発・販売するウェブソリューション関連事業、ネットワークアウトソーシング環境やクラウドサービスなどを提供するネットワークソリューション関連事業、ビジネスホンやMFP(複合機)などOA機器を販売するビジネスソリューション関連事業を展開している。   大手と競合しない全国中堅・中小企業をターゲットとして、ITインフラのワンストップソリューションを提供するとともに、ストック型収益の向上を推進している。アジア市場へも本格的に事業展開する方針だ。   14年8月には、ホスティングサービス運用、自社データセンターの保有、独自のハードウェア開発などを展開するエーティーワークス(富山県富山市)の第三者割当増資を引き受けて資本・業務提携した。製品・サービスの共同開発などを推進する。また個人・法人向けに年間10万件以上のPCトラブル訪問サービスを展開する日本PCサービス(大阪府吹田市)と業務提携した。相互の顧客紹介と事業シナジー向上を目的とした人的交流を実施する。   今期(15年3月期)の連結業績見通しについては、前回予想(5月9日公表)を据え置いて、売上高が前期比13.2%増の92億48百万円、営業利益が同1.3%増の8億40百万円、経常利益が同1.2%増の8億66百万円、純利益が同0.2%増の4億33百万円としている。   セグメント別売上高の計画はウェブソリューション関連事業が同13.3%増の22億02百万円、ネットワークソリューション関連事業が同18.8%増の25億67百万円、ビジネスソリューション関連事業が同10.2%増の44億79百万円としている。ウェブソリューションの「ActiBook」やネットワークソリューションのネットワーク関連機器が好調であり、消費増税の反動影響は軽微のようだ。   利益面では、新卒84名の採用、ホスティングサービスでのセキュリティ強化、アジア地域への事業展開など、中期成長に向けた先行投資負担の影響で微増益見通しとしているが、第1四半期(4月~6月)は前年同期比10.6%増収で、営業利益、経常利益、純利益とも黒字化し、期初計画を上回った。ストック収益も拡大基調であり、通期の会社見通しに上振れ余地があるだろう。   配当予想については7月25日と8月22日に配当方針の変更と配当予想の修正を発表した。7月25日は中間配当を実施する形に修正して年間配当予想額を据え置き、8月22日は配当性向を「予想連結EPSの10%相当額」から「予想連結EPSの15%相当額」に引き上げ、年間配当予想額を4円28銭増額して年間12円83銭(第2四半期末4円28銭、期末8円55銭)とした。前期の年間15円(期末一括)との比較では2円17銭減配の形だが、前期は記念配当6円45銭を含んでいるため、普通配当に関しては4円28銭増配となる。   14年7月発表の「新・中期3ヵ年利益計画」では、連結経常利益の目標値として15年3月期8億86百万円、16年3月期11億34百万円、17年3月期14億円を掲げた。初年度の15年3月期は先行投資負担で小幅な伸びにとどまるが、2年目の16年3月期以降は先行投資を平常に戻しつつ、安定的な成長を継続するとしている。さらなる規模拡大や継続的成長に向けて、M&Aなど積極的な資本・業務提携も推進する方針だ。   なお8月12日には自己株式取得を発表している。取得株式総数の上限2万5000株(自己株式除く発行済株式総数に対する割合0.49%)、取得価額総額の上限4000万円で、取得期間は14年8月13日~14年11月28日としている。   株価の動き(14年2月28日付で東証マザーズ市場から東証1部市場へ市場変更)を見ると、8月12日の直近安値1451円から反発して戻り歩調の展開となった。足元では上げ足を速めて出直りの動きが本格化している。9月16日には1880円まで上伸する場面があった。調整が一巡して中期成長力を評価する動きだろう。   9月19日の終値1807円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS85円51銭で算出)は21~22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円83銭で算出)は0.7%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS689円67銭で算出)は2.6倍近辺である。週足チャートで見ると、戻りを押さえていた13週移動平均線に続いて26週移動平均線も一気に突破した。下値固めが完了して強基調に転換した形であり、3月高値2209円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
電子書籍関連のスターティア<3393>(東1)の株価は、8月12日の直近安値1451円から反発し、上げ足を速めて出直りの動きが本格化している。
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2014-09-22 09:45