パシフィックネットはモミ合い煮詰まり感、今期増収営業増益見通しを評価して動意のタイミング
中古パソコン・モバイル機器などのリユース事業を展開するパシフィックネット <3021> (東マ)の株価は、9月17日に新サービス発表を材料視して599円まで急伸する場面があったが、買いが続かず概ね550円近辺でモミ合う展開だ。ただし8月8日の直近安値510円水準まで下押す動きは見られず、モミ合い煮詰まり感を強めている。今期(15年5月期)増収営業増益見通しを評価して動意のタイミングだろう。
パソコン、タブレット端末、スマートフォンなど中古情報機器の引取回収・販売事業を主力として、レンタル事業も展開している。13年10月に旗艦店としてオープンした「PC-NETアキバ本店」など全国主要都市に9店舗を展開し、主要仕入先のリース・レンタル会社や一般企業からの引取回収を強化するとともに、業務プロセス効率化などで収益力を高めている。
新サービスとして14年8月に、レカム <3323> およびリステック(東京都中央区)との3社協業での中小企業向けサーバー機器レンタルサービスを開始し、法人向け格安スマートフォンのサービスも開始した。
また9月17日には、企業・官公庁・自治体での使用済みIT機器の回収からデータ消去等までの一連の作業を大幅に効率化する日本初のWebサービス「P-Bridge」を開発し、10月1日から無償で提供すると発表した。当社の引取回収サービスの提供価値を高めるとともに、中期的には「P-Bridge」をソリューション・プラットフォームと位置付けて、リサーチ結果の提供やユーザー間の情報交換など、さまざまなサービスを新たに投入する方針だ。
今期(15年5月期)の連結業績見通し(7月15日公表)は、売上高が前期比4.8%増の42億53百万円、営業利益が同5.4%増の3億円、経常利益が同1.2%増の3億11百万円、純利益が同6.3%減の1億71百万円、配当予想が前期と同額の年間16円(期末一括)としている。純利益は前期適用の所得拡大促進税制が適用されないため減益見込みとしている。
米マイクロソフトのOS「ウインドウズXP」サポート終了に伴う代替需要の鈍化が予想されるが、一方では格安SIMブームに伴う中古モバイル機器の需要増加が期待される。顧客対応強化の効果でリース会社・一般企業などからの中古情報機器の引取回収が順調に増加し、前期第4四半期(3月~5月)に保守・サポートなど付帯サービス関連で受注した大型案件も寄与して増収営業増益見込みだ。抜本的な生産性向上策の効果も寄与して収益拡大が期待されるだろう。
株価の動き(14年3月1日付で株式2分割)を見ると、9月17日に新サービス発表を材料視して599円まで急伸する場面があったが、買いが続かず概ね550円近辺でモミ合う展開だ。ただし8月8日の直近安値510円水準まで下押す動きは見られず、モミ合い煮詰まり感を強めている。
9月22日の終値551円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS33円23銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は2.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS352円83銭で算出)は1.6倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形となって調整局面だが、52週移動平均線が下値を支えてモミ合い煮詰まり感を強めている。今期増収営業増益見通しを評価して動意のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
中古パソコン・モバイル機器などのリユース事業を展開するパシフィックネット<3021>(東マ)の株価は、9月17日に新サービス発表を材料視して599円まで急伸する場面があったが、買いが続かず概ね550円近辺でモミ合う展開だ。
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2014-09-24 09:30