【為替本日の注目点】日経下落で円買い進むか、株価大幅下落も根強いドル買い意欲
NY市場
ドル円は欧州時間に108円25銭近辺まで下落したが、その後は買戻しが優勢となり、108円台後半まで反発して引ける。108円台前半では根強いドル買い意欲も散見。
ユーロドルはユーロ圏PMIが軟調だったことから売り優勢となり、1.28台後半から1.2845までユーロ安が進む。
株式市場は大幅続落。米国が課税回避対策に乗り出したことを受け、ヘルスケア関連株を中心に売られる。米軍がシリアでの空爆を開始したことも材料となり、ダウは116ドル安。
債券相場は続伸。シリア空爆で地政学的リスクが高まったことで買いを集める。長期金利は2.52%台まで低下。
地政学的リスクの高まりから、金と原油はともに上昇。
7月FHFA住宅価格指数 → +0.1%
9月リッチモンド連銀製造業指数 → 14
ドル/円 108.45~ 108.99
ユーロ/ドル 1.2845 ~ 1.2900
ユーロ/円 139.64 ~ 140.21
NYダウ -116.81 → 17,005.87ドル
GOLD +4.10 → 1,222.00ドル
WTI +0.04 → 91.56ドル
米10年国債 -0.033 → 2.527%
本日の注目イベント
独 独9月ifo景況感指数
米 8月新築住宅販売件数
米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
ドル円は109円台が徐々に重くなり利益確定の売りに押され、昨日の欧州市場では108円25銭までドルが下落する場面もありましたが、そこから再びドル買いが強まり、108円台後半まで値を戻しています。地政学的リスクの高まりから、米株式市場ではダウが2日連続で100ドルを超す下落を見せ、安全資産の米国債が買われました。本来なら安全通貨の円にも買いが集まり、円高方向に振れる構図でしたが、根強いドル買い意欲に再び109円近辺まで円安が進んでいます。
先週重要イベントが終了したことで、今週は利益確定のドル売りが優勢となる展開を予想していましたが、それでもドルの押し目を拾う動きは活発のようです。米国が予告していた通りシリア領域への空爆を開始したことから、リスクオフの動きが高まってきましたが、まだ積極的な円買いは見られません。ただ、ここからは注意する必要もありそうです。
NYダウは史上最高値を記録した後、2日連続で大幅な下落を見せています。昨日が休場だった東京株式市場でも、本日は大幅下落は避けられない状況と予想します。そのため円が買われ易い状況であることも意識しておくべきでしょう。「イスラム国」との戦いは、オバマ大統領が述べているように長期戦になる可能性もあり、一部には地上戦も避けられないといった見方もあるようです。
今週は米地区連銀総裁の講演が多く予定されています。セントルイス連銀のブラード総裁は、昨日「FOMCは10月の会合で量的緩和の終了を発表するのに伴い、声明から低金利維持の文言を削除する必要がある」との立場を示しました。同総裁は「タカ派」と「ハト派」の中間の立場を明確にしていますが、「われわれの予想は今年後半の米経済が3%超と、かなり力強い成長を遂げるというもので、来年も3%を上回るとみている。失業率は低下し、雇用はかなりの急ペースで伸びるだろう」との認識も示しました。(ブルームバーグ)
一方、緩和的な金融政策を指示しているミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁は、インフレ率はこの先4年間引き続き2%を下回るとの見通しを示しています。依然としてFOMCメンバーの中でも、利上げの時期を巡り意見が分かれていることが伺えます。
本日は上述のように、日経平均株価の行方を意識しながらの展開になりそうです。300円を超える下落を見せるようだと、昨日のNY市場のドル安レベルまで円が買われる可能性もありそうです。予想レンジは108円~109円10銭程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は欧州時間に108円25銭近辺まで下落したが、その後は買戻しが優勢となり、108円台後半まで反発して引ける。108円台前半では根強いドル買い意欲も散見。
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2014-09-24 09:45